昨今は90%以上の新車に、自動ブレーキや、レーンキープアシストなどをはじめとするADASが搭載され、今後もさらに普及が進むと予測される。この車両の変化に伴い、新たに自動車整備制度の対応も進んでいる。2020年4月には、従来の車の基本動作である「走る、曲がる、止まる」に必要な装置の取り外しを伴う整備である「分解整備」に、このADASに代表される、車の「制御する」機能を整備する「電子制御装置整備」が加わり、新しく「自動車特定整備制度」が施行された。
この新たな自動車整備制度で対象となるのが、特定の整備や修理の後、ADASのカメラやレーダーなどの「ゼロポジション」をシステムに正確に認識させるADASエーミング作業である。ADASは単眼・複眼カメラやミリ波レーダーなどが検知した情報をもとに作動しているため、システムがこれら正確な「ゼロポジション」を認識していない場合はシステムの停止、さらには予期せぬ事故につながる可能性があると言われている。そのためADASエーミング作業の精度は非常に重要だ。また、ADASのセンサー類はバンパーやフロントグリル、フロントガラスなど少しの衝突でも影響を受ける車の外装近くに搭載されているため、これらの箇所の脱着を含む修理・整備を行う頻度は高く、同時に必要となるADASエーミング作業の頻度も自ずと高くなる。
しかし、ADASエーミング作業を対象とする「自動車特定整備制度」は施行されて間もないため、この作業の必要性や作業精度の重要性に関して、多くの自動車オーナーに浸透していない状況。また、ADAS搭載車両のオーナーがコンビニエンスストアよりも多い約10万件ある自動車整備工場の中からADASエーミング作業の品質までを判断して依頼することは難しい状況である。
この状況に対して、世界トップクラスの自動車システムサプライヤーとして国内外の次世代自動車開発にも携わるボッシュは、業界初「ボッシュADASエキスパートサービスショップ」認定制度を開始する。認定ロゴの掲示は、信頼のある精度の高いADASエーミング工場である証明となるため、今後さらに増えるADAS搭載車両のオーナーが、安心して正確なADASエーミング作業を実施する整備工場を選択することが出来るようになる。また、整備工場は加盟後、ボッシュの最新のトレーニング、ツール、情報を受ける事ができるため、将来の自動車技術の進化にも対応できる優れたサービスを顧客に提供することができる。また、ボッシュによる定期的な監査により常に高い整備品質が保たれる。更に、ADASエーミング作業のエビデンスを電子カルテとしてクラウド上に保管するため、作業内容に関しての透明性を保つことができる。
ボッシュは、「ADASエキスパートサービスショップ」認定制度の開始により、先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴い大きく変化する車両整備の現場を最先端のサービスソリューションでサポートする。