マツダの新世代商品群のトップを切って登場したMAZDA3。革新的燃焼SPCCIを実現したSKYACTIV-Xエンジンも話題となった。今回は、MAZDA3をさまざまなデータから分析してみよう。

まずは、ボディタイプについて。データは、2019年5月発売時から20年6月までの累計販売台数ベースである。

グラフでわかるように、MAZDA3の4台中3台がファストバック(5ドアハッチバック)である。セダン人気が低い日本市場では納得できる数字だが、2019年の発売開始当時(19年7月)の販売比率は




ファストバック:80.8%


セダン:19.2%




だったから、デザイン的にも非常に美しいセダンが一定の評価を得ているとも言える。

美しいデザインのセダン。その比率は国内では24%だ。

95%は6速ATを選んでいる。
MTが設定されているのはファストバックだ。

次は、トランスミッション比率。


95%が6速AT、5%が6速MTとなっている。現在セダンにはMTを設定していないため、この5%はほぼファストバックのものと考えていい。

FF/AWD比率はどうだろう?


AWDを選んだのは全体の12%。ちなみに、クロスオーバーのCX-30のAWD比率は28%である。

注目のパワートレーンを見てみよう。


SKYACTIV-Xを選んでいるのは、全体の6%。これを多いと見るか少ないと考えるかは難しいところだ。


エントリーグレードが搭載する1.5ℓガソリンエンジン(SKYACTIV-G1.5)が32%となっている、セダンのG1.5搭載グレードは20年5月に発売されたばかりだから、この32%はほぼファストバックの数字と見ていい。

かなりの人気を集めているG.15搭載モデル。車両価格220万円あたりか設定があるのが人気の要因のひとつだろう。

ちなみに2019年4-7月の累計データによれば


2.0ℓガソリンエンジン(SKYACTIV-G2.0):36%


1.5ℓガソリンエンジン(SKYACTIV-G1.5):32%


1.8ℓディーゼルエンジン(SKYACTIV-D1.8):32%




となっている。G1.5とG2.0の数字は今回のデータと同じ。SKYACTIV-Xが追加で発売された(19年12月)あと、Xの分、ディーゼル(D1.8)が減っているわけだ。G2.0、G1.5とSKYACTIV-Xは価格が大きく違うので、選択する際に悩む人は少ないのだろう。比較的に価格が近いディーゼルとXで選んだ人が多いと推測できる。

SKYACTIV-X エンジン形式:2.0ℓ直列4気筒DOHCスーパーチャージャー+Mild Hybrid エンジン型式:HF-VPH型 排気量:1997cc ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm 圧縮比:15.0 最高出力:180ps(132kW)/6000rpm 最大トルク:224Nm/3000rpm 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:プレミアム(推奨・レギュラーにも対応)

日本国内では


ファストバック/G.20/6AT/FF


というのがもっとも人気の高い仕様ということになる。

MAZDA3の月間販売目標台数は2000台である。


なかなか波に乗りきれない状況に見えたが20年3月には3480台を販売した。これから、という時期に新型コロナウイルスの影響をもろに受けた格好だ。とはいえ、2019年5月から20年7月までの平均月販台数は2409台。目標は楽々クリアしているのだ。

欧州では、2020年上半期(1-6月)に、MAZDA3 が1万2129台売れた。これは前年同期比でマイナス23%という数字だ。コンパクトクラスで全体の20位となっている。クラストップのVWゴルフは12万1166台である。ゴルフは昨年同期比ー44%。2位がフォード・フォーカス(8万3417台でー34%)、3位がシュコダ:オクタビア(7万5944台でー35%)だから、MAZDA3のー23%は悪くない数字だ。




ちなみに、MAZDA CX-30は2020年上半期、欧州で2万2106台売れている。

最後に北米の販売台数の推移を見てみよう。




現行MAZDA3は、前型の販売台数をなかなか上回れなかったが、コロナ禍の影響が和らいできてディーラーが開き始めた5月以降は回復の兆しが見えている。車両価格のベースラインが前型から上がったのが販売台数に影響したことはマツダ自身も認識していて、対策している。


日米欧ともにセールスが好調なCX-30とともに、20年下半期の動きに注目したい。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 データから分析するMAZDA3はマツダの期待通り売れているか? 一番人気はファストバックのG2.0。SKYACTIV-Xは?