1983年以降のすべてのドライバーの予選の走りをアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の最新ツールがマシンラーニングのテクノロジーを用いて分析した。技術の進化やチーム間のパフォーマンス差などのマシンの違いを除いた純粋な「速さ」で、トップに輝いたのは、やはりあのドライバーだった。


TEXT◎世良耕太(SERA Kota) PHOTO◎HONDA/DAIMLER/FERRARI

1994年のサン・マリノGPで散ったアイルトン・セナ。現役時代の走りはとにかく凄まじかった。

フォーミュラ1はF1 70周年を記念した取り組みの一環として、史上最速のF1ドライバーを定義した。ランキングの作成に用いたのは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の最新ツールだ。Fastest Driverと名づけた機械学習(マシンラーニング)のテクノロジーを使用し、1983年以降のすべてのドライバーの予選の走りを分析。技術の進化やチーム間のパフォーマンス差など、車両の違いを除去して客観的なデータを抽出した。




 機械学習をベースとしたツールは、予選セッションにおけるタイムアタック時のラップタイムをチームメイトと比較するのが基本。チームメイトはシーズンによって変わるので、変わった場合はそのチームメイトとラップタイムを比較。こうしてネットワークを広げて相互に比較していくことにより、ドライバー間の相対差が浮かび上がる。

史上最速のドライバーがセナという結果は多くの人が納得できるだろう。

「AWSの機械学習テクノロジーを使用することにより、F1とアマゾン・マシン・ラーニング(ML)ソリューションズ・ラボのデータサイエンティストは、史上初めて、時代を超えた客観的で複雑なランキングを作成することに成功した」と、ランキングを発表したフォーミュラ1は説明する。最速ドライバーのランキングは、トップのドライバーに対する1000分の1秒単位のタイム差で表示される。

史上最多勝91勝のミハエル・シューマッハは第2位。

 データベースに残るすべての予選の走りから導き出されたF1史上最速のドライバーは、3度のワールドチャンピオンに輝いたアイルトン・セナだ。0.114秒差で、ドライバーズタイトルを7度獲得したミハエル・シューマッハが続き、そのシューマッハが持つ史上最多勝記録まであと「3」とする88勝目を先のスペインGPで挙げたルイス・ハミルトンが3位につける。

優勝回数で2位につけているルイス・ハミルトンは3位にランクイン。

 以下、4位はマックス・フェルスタッペン、5位フェルナンド・アロンソ、6位ニコ・ロズベルグ、7位シャルル・ルクレール、8位ヘイキ・コバライネン、9位ヤルノ・トゥルーリ、10位セバスチャン・ベッテルと続く。




 ランキングは予想どおり? それとも意外?

現在、レッドブル・ホンダでエースドライバーを務めるマックス・フェルスタッペンはなんと4位にランクイン。

ミハエル・シューマッハの好敵手、ミカ・ハッキネンはTOP10にいない。やや違和感を覚えるファンもいると思う。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 F1:機械学習が導き出したF1最速ドライバーは誰だ? シューマッハ? ハミルトン? アソンソ、ベッテル……F1史上最速のドライバーはアイルトン・セナだった