TEXT●竹岡圭(TAKEOKA Kei)
何を隠そう、スーパーカー消しゴムの時代から、ランボルギーニ派なんです(笑)。
というのもね、ランボルギーニって社会貢献度高いと思うんですよ。こういった職業をさせていただいておりますと、本当にありがたいことに、スーパーカーを運転させていただく機会もそれなりにございます。そんな時「あっ! ◎◎だ!」と指をさされる率ナンバー1が、ランボルギーニなんですよね。するとどうでしょう。「あ! ランボルギーニだ!」と指をさした瞬間から「えっ?! どこどこ?」「うわぁ~すごいねぇ!」なんて具合に会話が始まるわけです。
電話→メール→SNS→と来て、いまやなんやかんやのリモート時代ですから、会話する機会ってなかなかに減りがちです。寂しいことに、オウチの中でもLINEで会話する親子や夫婦がいるという話も聞きます。そんな時に通りすがりのランボルギーニを目にして、思わず口から出てしまった「あ! ランボルギーニだ!」から会話が始まったら、それってかなりステキじゃないですか。
不詳ワタクシも、最後くらい誰かのお役に立てたらと思っておりますので、人生最後に乗るクルマとして選ばせていただきました。
この仕事をさせていただいてると、よく聞こえてくる単語のひとつに「シルキー」があります。滑るようになめらかっていう意味で使われていると思うんですが、レイスを運転した時に「これまでもいろんなクルマにシルキーって言ってきたけれど、あぁ~、本物のシルキーってこういうことなのねぇ~」と、心の底から感心しちゃったんです。本物の魔法のじゅうたん、フライングカーペットはここにあったんだ!と、いたく感動しちゃったんですよね。
ロールスロイスってファントムに代表されるように、乗せてもらうクルマだと思い込んでいたのですが、レイスに乗った時にあまりの操りやすさにビックリ。シルキーな乗り心地なんだけれども、余計なロールは抑えたフラットライドで、ハンドリングも正確。ボディの長さはちょっと気になるものの、想像以上にスポーティーに走れることに驚愕しちゃったんですよね。これ以上のエレガントスポーツには、いまのところ出逢えていません。
こんなエレガントかつスポーティな女性に私はなりたい。そのゴールは果てしなく遠そうですが、頑張ります!
中学生の頃「60歳になった時に最新のポルシェオーナーになる!」と誓いを立てたワタクシ。だんだんと60歳が見える年齢になってきて、これは70歳に引き上げた方がいいかも?なんてヒヨッたりもしていますが、ようはこの誓いは「おばあちゃんがスポーツカーに乗ったらカッコイイじゃん!」っていうものだったんです。
当時の中学生にとっての60歳は、もう立派なおばあちゃん。現代の60歳はまだまだこれから!のバリバリ現役ですけどね。そう、私が生まれて初めてカッコイイと思ったクルマがポルシェだったところから、この夢は生まれたわけですけれど、この話は世の中に相当公言しちゃってるんで、有言実行しないとかなりカッコ悪いことになっちゃいそうなんですよ。そのための資金をラリーに投入しちゃったんで、もはや不安しかありませんが、なんとか実現したいと思っています。
ちなみに今回の3台をもし同時に所有するとなったら、またチョイスは違ってきます。その場合は、想像以上にオフロードも強い本物のSUVだったランボルギーニ・ウルスと、レイスをベースにしてオープンカーに仕立てたロールス・ロイス・ドーンと、どこでも駆けずり回れそうな元気いっぱいのコンパクトカーMINI・3ドアという選択になりそうです。そんな人生は最高だろうなぁ~!
■竹岡圭(たけおか・けい)
BS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴NO CAR,NO LIFE!』や、テレビ神奈川『なかなか日本!高速道路DRIVE1バン旅』でMCを務めるモータージャーナリスト。レーシングチーム「圭rallyproject」を自ら率いて全日本ラリー選手権にもチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)