REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力⚫️ KTM Japan 株式会社
KTM・390 ADVENTURE.......759,000円
見るからにオフロードシーンへと誘われるKTMの人気モデル。790 ADVENTUREのDNAをフィードバックし開発されている。背景にはパリダカールラリー等で名声を培ってきた、いかにもオフ系に強いKTMブランドらしいカテゴリーとして侮れない信頼性と魅力がある。
ベースとなったのはネイキッド390 DUKEだがオフロード系を標榜する冒険ツアラーとしてのキャラクターとパフォーマンスを備えた仕上がりが新鮮。しかも価格は790の半額以下になる759,000円。単気筒エンジンを搭載したリーズナブルな設定は大いに注目できるのである。
DUKEのスチール製トレリスフレームはオレンジにホワイトのリヤフレームをマッチ。前後17インチの足元にも鮮やかなオレンジカラーがあしらわれていたが、ADVENTUREは車体まわりをブラックアウト。フロント19、リヤ17インチサイズのアルミキャストホイールには、韓国産コンチネンタルのTKC 70を履く。
タンクまでのしかかるロングシートと後方まで伸ばされたフェンダー。ヘッドランプやハンドル周辺デザインも変更。アンダーガードの装備と管長を長くレイアウトした排気系もDUKEとは異なっている。
車体サイズ的にはホンダCRF250 RALLYに近いが、フロント21、リヤ18インチのスポークホイールを履くCRFと比較すると、それよりも数値的には若干コンパクト。シートも高過ぎるレベルではない。車両重量は約160kgで、この手のミドルクラスとしてはボリューム的にも適度で親しみやすいレベルにある。
搭載エンジンは基本的にDUKEと共通。ショートストロークタイプの373.2cc。電子制御スロットルが採用されたBOSCH製燃料噴射式DOHC水冷4バルブの単気筒は9,000rpmで43psの最高出力を発揮。ミッションやクラッチ、そしてギヤレシオも共通である。
各種電子制御系には最先端技術が投入されており、車両状況に応じて緻密に制御されるトラクションコントロールを始め、ブレーキ系ではコーナリングABSも搭載。ABSはオフロード走行用に任意OFFすることも可能。その他スマホとの連携機能も一部オプション設定ながら充実している。
そんな最新の装備内容を知れば知るほど、この価格にはお買い得さを感じるのである。
ツアラーとして程良い性能が魅力的
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
◼️主要諸元◼️
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC 4バルブ単気筒
排気量:373.2cm³
ボア×ストローク:89×60mm
最高出力:32kW(44ps)/9,000rpm
最大トルク:37Nm/7,000rpm
圧縮比:12.6対1
潤滑方式:トロコイドポンプ2台による圧送式
燃料吸気方式:Bosch製EFI(スロットルボディφ46mm)
始動方式:セルスターター
バッテリー:12V 8Ah
トランスミッション:6速
1速:2,667(12:32)
2速:1,857(14:26)
3速:1,421(19:27)
4速:1,143(21:24)
5速:0,957(23:22)
6速:0,840(25:21)
1次減速比:2,667(30:80)
2次減速比:3,000(15:45)
クラッチ:PASC™ アンチホッピングクラッチ、機械操作式
点火方式:Bosch製EMSライドバイワイヤー with RBW
燃料消費率:3.46 L/100km(28.9km/L)
フレーム:スチール製トレリスフレーム、パウダーコート塗装
ハンドルバー:アルミニュウム・テーパード(φ22~26mm)
フロントサスペンション:WP APEX φ43mm
リアサスペンション:WP APEX Monoshock
サスペンションストローク(前/後):170mm/177mm
ブレーキ(前/後):4ピストンラジアルマウント固定式キャリパー/1ピストンフローティングキャリパー
ブレーキディスク径(前/後):φ320mm/230mm
ABS:Bosch 9.1MP Two Channel ABS(incl.Cornering-ABS and offroad mode)
タイヤ(前/後):100/90-19/130/80-17
チェーン:520 X-Ring
キャスター:63.5 °
トレール:98mm
ホイールベース:1,430mm
最低地上高:200mm
シート高:855mm
燃料タンク容量:(約)14.5L(予備3.5L)
乾燥重量:158kg
生産国:インド
ライダープロフィール