PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
REPORT●Mr.Ganglion
そもそも後方排気っていつごろのモデル?
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後方排気のメカニズム的詳細はここでは詳しく述べないけど、要するにTZレーサーのレイアウトを真似た構造で、通常シリンダーの後ろ側にあるキャブレターを前に持ってきて、吸気効率を高めるようにしたわけだ。しかし、高回転域だけにフォーカスすればいいサーキット仕様の構造を公道に持ってきたわけだから、街乗りレベルには扱いにくく、カチ上げられたマフラーはオイルが吹きやすかったり、かたや当時流行の発信源であった「SP250」というレースシーンでも、車体の戦闘力は大幅に向上していたものの肝心のエンジンセッティングが出しづらいという声もあった。しかし、そのダメっぷりと特異なレイアウトが逆に?愛され、いまや80年代レプリカ戦争の象徴みたいな扱いになってるわけだ。
というわけで、3MA=後方排気とひとくくりにされがちな3MAだけど、実は前期と後期があるのは意外に知られていない。また、この3MA、オーナーのカスタム度合いが前モデルの1KT、V型エンジン搭載の3XVに比べ半端ないのも特徴。ここからはオーナー車も見ながら、3MAの前期、後期の違いをまとめてみたい。
89年3MA登場! 特異なレイアウトはすべてレースで勝つため
こちらの橋本さん所有の3MAは、オリジナルカウルの完成度とペイントでGPレーサーYZR500かと見紛うほどの完成度を誇る。特にテールカウルの造形は秀逸。カウル内のチャンバーはシルバーストーン、ちらりと見えるフォークインナーのゴールドが高級感を醸し出している。後方排気のレイアウトを存分に活かしたカスタムなのだ。
こちらの89年式3MAは、89年全日本ロードレースから参戦のヤマハワークスチーム「キリンメッツRTヤマハ」のカラー。当時応募による抽選での販売で、レア中のレアカラーといえる。外装だけでなくエンジンも強烈で、FCRキャブを秘密のセッティングを行い、シャシダイ計測で66PS以上を発揮しているとか。ちなみにフロントフォークは3MA SP用インナーと3代目(3XV)アウターを組み合わせたハイブリッド倒立に変更している。オーナーは須崎さん。
わずか1年でマイナーチェンジ。倒立フォーク採用
歴代最高!? 2ストパラツインを官能的に味わうなら3MAはベストチョイス
■SPECIFICATIONS(89TZR250)●水冷2ストクランクケースリードバルブ並列2気筒249㏄●最高出力45ps/9500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm●全長×全幅×全高2040×655×1100㎜ ●軸距1380㎜ ●乾燥重量136㎏ ●タイヤ:110/70R17・140/60R18●当時価格59万6000円
■SPECIFICATIONS(90TZR250)●水冷2ストクランクケースリードバルブ並列2気筒249㏄●最高出力45ps/9500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm●全長×全幅×全高2040×655×1100㎜ ●軸距1380㎜ ●乾燥重量136㎏●タイヤ:110/70R17・140/60R18●当時価格59万6000円