REPORT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)(身長:173㎝)
※本稿は2020年3月発売の「グランエースのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
GRANACE Premium
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全長5300㎜、全幅1970㎜という恵まれたボディサイズから、室内長も3290㎜、室内幅1735㎜という圧倒的なスペースを確保。それでいて最小回転半径は5.6mと小回り性能も優秀。
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居住スペースを最大限広く取った場合は、荷室の奥行きは約270㎜と、あまり広くはない。4列8人乗りの「G」の場合はさらに狭く、最小奥行きは約100㎜に留まる。用途が旅行客の送迎ということになると、荷物を載せるために2〜3列目席をある程度前にスライドさせた状態が初期設定と考えるべきだろう。
2列目席と3列目席に人が座れるスペースを確保した上で、荷室の奥行きを広げた状態。カタログにも縦750㎜×横510㎜×幅310㎜のスーツケース4個を立てた状態で積載した写真が紹介されているが、それくらいがちょうどいいシートポジションだと考えられる。「G」の場合は4列目席の座面をチップアップした状態で一番前までスライドさせると、約650㎜の奥行きを確保できる。
2列目席はシートが固定される位置まで、3列目席は人が座れない(=2列目席とのクリアランスがない)ところまでスライドさせると、これだけの奥行きを確保できる。
V-Class V220d AVANTGARD long
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全長が4895㎜、5140㎜、5370㎜と異なる3種類のグレードを設定。最も大きい「エクストラロング」がグランエースに近いサイズだが、受注生産扱いとなるため納車に時間が掛かる。
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3列目席が一番後ろにある状態でも荷室の奥行きは約540㎜あり、十分に実用的。シートの下側が空洞になっているので、そこに荷物を収納することも可能だ。ちなみに2列目席と3列目席は同じスライドレールに装着されており、それぞれ前にスライドさせれば荷室を拡大できる。どちらの席にも人が座れる適度な余地を残すと、だいたい800㎜くらいの奥行きが生まれる。
2〜3列目席はシートを取り外せるのだが、シートそのものがかなり重たく、成人男性でも持ち運ぶのは重労働。外したシートの保管場所も必要となる。写真のように背もたれだけ前倒しできるので、不意に荷物が増えた時などは、その方がよほど手軽だ。ちなみに写真内の奥行きは2列目席を一番前までスライドさせた状態の数値。その状態だと2列目席に人が座ることはできない。
写真は2列目席の背もたれも前倒しした状態。最大奥行きは1列目席までの距離で、2.5mを超える。
ALPHARD HYBRID Executive Lounge
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グランエースより小さいが、それでも全長4945㎜、全幅1850㎜と、日本の道路環境ではフルサイズと言っても過言でない大きさ。最小回転半径は5.6mで、一部グレードは5.8mとなる。
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この状態だと奥行きは最小限しか確保されていないため、たいして荷物を積むことはできない。ただし、3列目席にもスライド機構が装備されているので、シートを前にスライドさせれば奥行きを拡大することができる。また、シートがどの位置にあっても使用できる容量148ℓの床下収納も装備。サブトランク的に使えて便利だ。
3列目席は左右別々に荷室の側面に跳ね上げて格納することが可能。写真では左右両方のシートを跳ね上げているが、もちろん左右どちらかのシートだけ格納することもできる。また、写真内の奥行きの数値は2列目席に人が座れる範囲内のものだ。
3列目席を格納した上で、2列目席を一番前までスライドさせると、荷室の奥行きを最大化することができる。その時の数値は2列目席シートの仕様によって変化するが、「エグゼクティブラウンジ」に備わるエグゼクティブラウンジシートの場合は、一番狭いということになる。