2月21日に発売された新型ホンダ・アコード。ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムe:HEV(従来はi-MMDと呼んでいた)を搭載する上級Eセグセダンである。ライバルは、トヨタ・カムリ、MAZDA 6というところだろうが、先代アコードと比べるとどうなのだろうか?

少し小さくなった新型アコード

新型アコード

 4ドア・セダン人気が高くない日本ではともかく、グローバルで見ると、アコードはホンダの屋台骨を支える重要モデルである。北米・中国での人気は高く、新型10代目のセールスも好調だ。


 ようやく日本導入となった新型10代目アコードのパワートレーンは2.0ℓ直4DOHCにホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム(今回から「e:HEV」と呼ぶ。従来、i-MMDと呼称していたシステムだ)を積むハイブリッドのEXのみ日本導入である。生産はホンダ・タイ工場である。

 北米におけるアコードのライバルは、まずはトヨタ・カムリ、そして日産アルティマ、現代ソナタ、キア・オプティマ、フォード・フュージョンといったところだろうか。日本でも販売されているトヨタ・カムリとの比較はこちらを見て欲しい。

 今回は、先代(9代目)アコードとの新旧比較をしてみよう。


 9代目アコードが登場したのは2013年。北米には2.4ℓ直4や3.5ℓ、3.0ℓのV6などもラインアップされたが、国内仕様はハイブリッドとPHEVのみだった。


 まずは、サイズを比べてみよう。

9代目アコードハイブリッドEX 417万5926円(消費税は8%) 全長×全幅×全高:4945mm×1850mm×1465mm ホイールベース:2775mm



新型ホンダ・アコードEX 465万円 全長×全幅×全高:4900mm×1860mm×1450mm ホイールベース:2830mm

 こうしてみると、新旧ともに全長4.9m級と堂々たる体格だ。


トヨタ・クラウンが


全長×全幅×全高:4910mm×1800mm×1455mm


ホイールベース:2920mm


 だから、アコードの方が少し大きい。ただし、FRのクラウンと違うプロポーションなのはアコードがエンジン横置きのFFだからだ。


 先代と新型のパッケージング比較をしてみよう。

上が先代、下が新型アコードだ

 こうしてみると、新型はホイールベースが延びて(+55mm)フロントとリヤのオーバーハングが切り詰められ、スポーティなスタンスとなっている。Aピラーの下端が後方へ移動したこともそう見える要因だろう。


 フロントオーバーハングを切り詰められたのは、パワーユニットをコンパクトにできたからだ。


 IPU(インテリジェントパワーユニットは、先代は後席背面に配置されていたが、それを後席下に移動したことで、トランク容量は573ℓになった。


 ホイールベースの延長によって後席の足元広さは70mm、膝周り空間は50mm、先代よりも拡大している。 


 また、拡大を続けてきた全長が、新型で若干(-45mm)小さくなったのも特筆すべき変化である。

パワートレーン 2.0ℓ直4DOHC+iMMD(ハイブリッド) エンジン型式:LFB 排気量:1993cc ボア×ストローク:81.0mm×96.7mm 圧縮比:13.5 最高出力:145ps(107kW)/6200rpm 最大トルク:175Nm/3500rpm 燃料タンク:48ℓ モーター:H4型交流同期モーター 最高出力:184ps(135kW) 最大トルク:315Nm

 新型は、プラットフォームから刷新されている。低重心・低慣性「新世代プラットフォーム」を使う。重心高15mm、ロール慣性モーメント7.2%、ヨー慣性モーメント1.7%低減。車両重量も50kg軽量化できた。


 その新型の燃費データは


JC08モード燃費:30.0km/ℓ


WLTCモード燃費:22.8km/ℓ


 市街地モード 21.2km/ℓ


 郊外モード 24.4km/ℓ


 高速道路モード 22.6km/ℓ




 である。


 対する先代は


JC08モード燃費:30.0km/ℓ


 とJC08モード燃費は同一だ。4.9m級のセダンの燃費としては大変優れたデータだった先代。新型も同じ数値をマークしている。

先代アコードハイブリッド パワートレーン 2.0ℓ直4DOHC+iMMD(ハイブリッド) エンジン型式:LFA-H4 排気量:1993cc ボア×ストローク:81.0mm×96.7mm 圧縮比:13.0 最高出力:145ps(107kW)/6200rpm 最大トルク:175Nm/3500rpm 燃料タンク:48ℓ

8代目アコード 全長×全幅×全高:4730mm×1850mm×1440mm ホイールベース:2705mm

8代目アコードにはワゴンボディも設定されていた

7代目アコード 全長×全幅×全高:4665mm×1760mm×1450mm ホイールベース:2670mm

上が7代目、下が8代目。新型と比べると、かなりコンパクトなことがわかる

 こうしてみると、7代目、かろうじて8代目までは「Eセグ」ではなく「Dセグ」セダンだったことがわかる。日本ではジャストサイズでも、主戦場の北米では小さすぎたのだろう。しかし、新型10代目で少し小さくなったのは日本のユーザーにとっては取り回しが良くなって歓迎すべきことなのではないだろうか。


 ちなみに、最小回転半径は


先代:5.9m


新型:5.7mである。

7代目/8代目/9代目/新型のパッケージ比較

 せっかくなので、7〜10代目のパッケージングを横比較してみよう。

上から7代目/8代目/9代目/新型である

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ホンダ・アコード新旧比較:変わったのはデザイン? サイズ? 燃費はどうだ?7代目、8代目ともパッケージングを比べてみた