ようやく日本導入となった新型10代目アコードのパワートレーンは2.0ℓ直4DOHCにホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム(今回から「e:HEV」と呼ぶ。従来、i-MMDと呼称していたシステムだ)を積むハイブリッドのEXのみ日本導入である。生産はホンダ・タイ工場である。
北米におけるアコードのライバルは、まずはトヨタ・カムリ、そして日産アルティマ、現代ソナタ、キア・オプティマ、フォード・フュージョンといったところだろうか。日本でも販売されているトヨタ・カムリとの比較はこちらを見て欲しい。
今回は、先代(9代目)アコードとの新旧比較をしてみよう。
9代目アコードが登場したのは2013年。北米には2.4ℓ直4や3.5ℓ、3.0ℓのV6などもラインアップされたが、国内仕様はハイブリッドとPHEVのみだった。
まずは、サイズを比べてみよう。
こうしてみると、新旧ともに全長4.9m級と堂々たる体格だ。
トヨタ・クラウンが
全長×全幅×全高:4910mm×1800mm×1455mm
ホイールベース:2920mm
だから、アコードの方が少し大きい。ただし、FRのクラウンと違うプロポーションなのはアコードがエンジン横置きのFFだからだ。
先代と新型のパッケージング比較をしてみよう。
こうしてみると、新型はホイールベースが延びて(+55mm)フロントとリヤのオーバーハングが切り詰められ、スポーティなスタンスとなっている。Aピラーの下端が後方へ移動したこともそう見える要因だろう。
フロントオーバーハングを切り詰められたのは、パワーユニットをコンパクトにできたからだ。
IPU(インテリジェントパワーユニットは、先代は後席背面に配置されていたが、それを後席下に移動したことで、トランク容量は573ℓになった。
ホイールベースの延長によって後席の足元広さは70mm、膝周り空間は50mm、先代よりも拡大している。
また、拡大を続けてきた全長が、新型で若干(-45mm)小さくなったのも特筆すべき変化である。
新型は、プラットフォームから刷新されている。低重心・低慣性「新世代プラットフォーム」を使う。重心高15mm、ロール慣性モーメント7.2%、ヨー慣性モーメント1.7%低減。車両重量も50kg軽量化できた。
その新型の燃費データは
JC08モード燃費:30.0km/ℓ
WLTCモード燃費:22.8km/ℓ
市街地モード 21.2km/ℓ
郊外モード 24.4km/ℓ
高速道路モード 22.6km/ℓ
である。
対する先代は
JC08モード燃費:30.0km/ℓ
とJC08モード燃費は同一だ。4.9m級のセダンの燃費としては大変優れたデータだった先代。新型も同じ数値をマークしている。
こうしてみると、7代目、かろうじて8代目までは「Eセグ」ではなく「Dセグ」セダンだったことがわかる。日本ではジャストサイズでも、主戦場の北米では小さすぎたのだろう。しかし、新型10代目で少し小さくなったのは日本のユーザーにとっては取り回しが良くなって歓迎すべきことなのではないだろうか。
ちなみに、最小回転半径は
先代:5.9m
新型:5.7mである。
せっかくなので、7〜10代目のパッケージングを横比較してみよう。