WLTCモード燃費:29.0km/ℓ ※「HYBRID S」「HYBRID G-X」のFF車


月間登録台数:8000台(9月〜12月平均値)




REPORT●工藤 貴宏(KUDO Takahiro)/小林 秀雄(KOBAYASHI Hideo)


PHOTO●井上 誠(INOUE Makoto)/中野 幸次(NAKANO Koji)


MODEL●森脇 亜紗紀(MORIWAKI Asaki)[身長160㎝]




※本稿は2010年1月発売の「2020年 国産新型車のすべて」に掲載されたものを転載したものです。

海外仕様のセダンは1780 ㎜、ワゴンは1790㎜の全幅なのに対し、日本仕様は1745 ㎜に。これは先代プリウスと同じ数値だ。しかし室内幅は海外仕様と共通だ。ホイールベースは60㎜短縮され、これはリヤドア部分で吸収している。

■Touring HYBRID S


全長×全幅×全高(㎜):4495×1745×1460


室内長×室内幅×室内高(㎜):1795×1510×1160


ホイールベース(㎜):2640


トレッド 前/後(㎜):1510/1520


車両重量(㎏):1370


エンジン形式直列:4気筒DOHC


総排気量(㏄):1797


エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):72[98]/5200


エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):142[14.5]/3600


モーター最高出力(k W[㎰]):53[72]


モーター最大トルク(Nm[㎏m]):163[16.6]


燃料タンク容量(ℓ):50(レギュラー)


トランスミッション形式:CVT


駆動方式:FF


サスペンション:前 ストラット 後 ダブルウイッシュボーン


ブレーキ:前 ベンチレーテッドディスク 後 ディスク


最小回転半径(m):5.3


WLTCモード燃費(㎞/ℓ):29.0


タイヤ・サイズ:205/55R16


車両本体価格:265万1000円

先進安全装置(Toyota Safety Sense)

最新版のToyota Safety Senseを全車標準装備。歩行者は昼間はもちろん、夜間も対応。さらに昼間の自転車にも対応する。このほか、リヤクロストラフィックオートブレーキ・アラートをオプション設定。

ボディカラー

カローラの3つのポイント

1.日本専用のナロー&ショートボディを採用


2.全車コネクティッドサービス対応


3.HV、ターボ、NA、全3タイプのパワートレーン
全高:1460㎜ 全幅;1745㎜
ミラー・トゥ・ミラー:2035㎜ 開口高600㎜


全長:4495㎜ 最小回転半径:5.0m〜5.3m

日本仕様は海外仕様よりもホイールベースとリヤオーバーハングを短縮。日本国内で取り回ししやすいサイズとし、旧来からのカローラユーザーに違和感を極力感じさせないよう留意。

エンジン&ホイール

熱効率に優れる1.8ℓ直4エンジンと、コンパクト・高出力なモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。WLTCモード燃費は最良値で29.0㎞/ℓ。

セダン、ツーリング系 は16インチが標準で、「W×B」系はダークメタリック塗装を施した17インチを履く。

乗降性

〈前席〉シート高535㎜ ステップ高340㎜

車体は大きくなったものの、ドア内張り形状の工夫などで「先代と同じ駐車スペースなら先代と同等の乗降空間を実現した」というのが開発のこだわりだ。

〈後席〉シート高560㎜ ステップ高350㎜

ミニバンや大型セダンと比べると、足の通り道が狭いのが気になるが、このクラスとしては標準的な乗降性。ツーリングの頭上はセダンより広い。

インパネ

ダッシュボードは上部を水平基調でスッキリさせつつ、下部をカットして足元の広々感を演出。ナビや空調操作パネルに手が届きやすいのが好印象だ。オプションの9インチナビ画面を選ぶとその大きさに驚く。

メーター

「W×B」系には中央を7インチカラー液晶とした写真のメーターを採用。ハイブリッド車でもレイアウトはガソリン車と同じ。

前席



ドラポジは低めの着座位置によってスポーティな感覚。とはいえインパネ上面が低いため前方視界は確保されているので狭い道でも運転しやすい。シートはTNGAの「スポーティタイプ」と呼ばれる形状で身体にフィットする感覚が好印象。

後席



膝まわりスペースはライバルに対して自慢できるほどの広さではないが、座面の高さが適切で着座姿勢は良好。左右席の身体部分をえぐることで、旋回中や座り続けた状態でも左右へズレないよう設計。包み込まれるようなフィット感が心地良い。

うれしい装備

全車に「DCM」と呼ぶ専用の通信ユニットを標準搭載しスマホと連携。スマホを通じての遠隔操作で、離れた場所からドアロックができ、LINE経由で目的地設定まで可能。推定航続可能距離もスマホでチェックできる。

タッチパネルディスプレイを標準採用し、スマホを接続すれば車載ナビを装着しなくてもカーナビが使えるように考えられている。
1.8ℓガソリンエンジン車の走行モード切り替えは「NORMAL」と「SPORT」の2段。シフトセレクターの前方にあるスイッチで切り替える。


スマホとナビを接続する「スマートデバイスリンク」という仕掛けを採用。トヨタ用にアレンジされているが、オープンソースの規格である。
カビ、ハウスダスト、タバコの煙、PM2.5をはじめとするスモッグなどを検知し、空気清浄するエアクリーンモニター。


緊急時は運転席頭上のボタンを押してオペレーターに繋がるほか、事故の際は自動で発報するSOSコールを備える。
販売店オプションで設定されるドライブレコーダーには、周辺環境録画カメラも設定されていて、室内を中心に記録できる。昨今のクルマ事情にもキチンと対応。


オプション設定されるAC100V 電源は、1500Wと一般的な車載電源の約10倍の大容量。電子レンジも使えるほどでアウトドアや災害時にも重宝。

ラゲッジルーム

通常時:最小幅950㎜ 奥行き920㎜
後席格納時;高さ655㎜ 最大奥行き1830㎜


ワゴンのラゲッジ容量は通常時で325ℓ。これはハイブリッドでもガソリン車でも同じ。デッキボード上段時はセダンよりも床が高く、デッキボードを下げると390ℓまで拡大。倒したシートは後方を下に若干傾斜するが、段差はないので実用性は高い。2名乗車状態での最大容量は800ℓ。

使い勝手車両データ

インテリアカラー:ブラック オプション装備:ステアリングヒーター/シートヒーター/ディスプレイオーディオ/エアクリーンモニター/「ナノイー」/アクセサリーコンセント/おくだけ充電/T-Connectナビキット/カメラ別体型ドライブレコーダー

〈開発者コメント〉日本でこだわるべきところに集中できた

上田泰史[うえだ・やすし] MS 商品企画 ZE /チーフエンジニア

カローラは世界でひとつ……という商品コンセプトでしたので、日本のボディサイズもグローバルで統一しようという議論も確かにありました。しかし今回はGA-Cプラットフォームをしっかり統一して使っていくことを決めて、その上で、日本での使われ方やお客さまの要望を伺って、日本専用パッケージでつくり込むことにしました。TNGAとGA-Cで基本コンセプトや構造設計をグローバルで共用化できたことで、逆に日本でこだわるべきところに集中できたという側面もあります。この新型カローラでは、ベースをしっかりつくった上で各地域の特性に合わせる……というカローラ本来のつくり方が改めて妥協無くやりきれたとも言えると思います。

〈TOPICS〉カローラスポーツも足まわりをリファイン

セダン/ワゴンに先行して発売されていたハッチバックのカローラスポーツだが、セダン/ワゴンに合わせて足まわりのセッティング変更が施されている。視覚情報のブレを少なくすることでドライバーが無意識に対応できる動きをつくり込んでいるのと、ステアリングの切り始め/停めた時の操舵応答性をチューニングし、ドライバーの意図とクルマの応答感をシンクロさせている。

バイヤーズガイド

純粋に走りを楽しむなら、カローラスポーツのターボ6速MT。グレードは「G“Z”」で決まりだ。セダンやワゴンならば、ハイブリッドで超絶燃費を楽しみたい。グレード展開はセダンもワゴンも同じで、日常の足に徹するなら「G-X」グレードでも良いが、所有欲も満たしたいなら充実装備の「S」がお勧めだ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 〈トヨタ・カローラ〉日本専用ボディを纏い再び頂点へ【ひと目でわかる国産新型車の魅力】Cセグメント レビュー