REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)
ライディングフォームでよく質問を受けるのが「背中の角度」です。背筋をまっすぐ伸ばすべきか、あるいは猫背気味に丸めるべきか……。ライダーの体格やバイクの種類にもよるので一概には言えませんが、自分にとって一番楽で自然なフォームをとるのが良いと思います。と言っても曖昧なので、ここでは私がおすすめするフォームの作り方を説明します。
具体的にはリラックスして「背もたれのない椅子に腰かける」イメージです。軽く背骨が曲がった状態になるはずなので、そこからヘソを5cmほど引っ込めるつもりで下っ腹に力を入れてみてください。すると体幹が安定して程よい緊張感が生まれ、加速や減速に対しても上体が遅れることなく素早く対応できるようになります。
背中の角度については、前述の軽く背骨が曲がった状態をキープしながら、バイクのライポジに合わせて上体の前傾度を決めるとフォームが安定します。つまり、ハンドル位置が低いスーパースポーツなどは前傾度が強くなり、逆にハンドル位置が高いツアラーなどは前傾度が緩くなります。そのとき大事なのは骨盤の角度を意識すること。正しいフォームでは骨盤は割と立った状態になっています。つまり、骨盤と背骨は一体化したまま(アングルを変えずに)、バイクに合わせて骨盤から上体を傾けていくようにすると正しいフォームになります。逆に骨盤が寝ていると背骨の曲がりが強くなりすぎて、路面からの衝撃で腰を痛めたり、加速時にリヤタイヤに荷重がかからず接地感が得られにくくなったりします。バイク(ライポジ)によって骨盤の角度を意識してもらうだけで、楽に疲れずスポーティに乗りこなすことができるはず。ぜひ試してみてください。