タイヤは高速道路の建設が進んだ70年代に飛躍的な進化を遂げた。その当時ヨコハマタイヤが発売した高性能ラジアルタイヤが「G.T.SPECIAL」である。「G.T.SPECIAL」を19年7月に「G.T.SPECIAL CLASSIC Y350」として復刻されており、ヨコハマタイヤはそのほかにもヒストリックカー向けのタイヤを拡充させている。「RADIAL 360 STEEL」も同じ流れに乗って誕生した期待の新商品ということだ。
サイズラインナップはP205/75R15、P215/75R15、P225/70R15、P215/65R16の4サイズ。頭に「P」が付くのは北米のタイヤ規格であるTRAに準拠したもので、「Passenger Car Tire(乗用車)」を意味している。対象車種は東京オートサロンに展示されたC2コルベットなどの古いアメ車。ポンティアック・ファイヤーバードやキャデラックの各車種にも適合するそうだ。
おもしろいのは、スズキ・ジムニーをクラシックテイストでカスタマイズしたときにも、ぴたりと雰囲気がマッチすること。実際に東京オートサロンの会場には「RADIAL 360 STEEL」を装着したジムニーが展示されていた。製作したのは軽自動車のドレスアップパーツを展開するKLC。16×5.5Jの「Heritage HEAVEN」ホイールと215/65R16の「RADIAL 360 STEEL」が組み合わせられていた。
中期経営計画に「ホビータイヤ戦略」を掲げているヨコハマタイヤは、今後もクルマユーザーの趣味に対応する商品の開発とサイズ拡充を進める予定。自動車趣味の形が多様化するなか、ヒストリックカーを愛する人々にとっても朗報である。