REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●てつかたかし(TETSUKA Takashi)
※月刊モト・チャンプ(2011年2月号)より
「乗りもの館(のりものや)」から1970年代にリリースされていた、4Lモンキー(Z50J)用のカフェレーサー風カウルキットを装着したモンキー。
ノーマルのヘッドライトを装着したまま取り付けできるフルカウル、加えてFRP製タンク・シート・シートカウル一体型の外装パーツの保存状態は素晴らしく、ほぼ新品の状態。
MRD製(旧ミクニレーシング)のスイングアームやステム、乗りもの館製の鋳造ホイール、懐かしいMAXIM WORKS製マフラーなど、1970年代に人気を誇った、今となっては入手困難なお宝パーツの数々が組み込まれている。
レアな4ストミニパーツといえば、年齢50歳以上、4ストミニカスタム歴ウン十年のハイエンドユーザーを想像しがちだが、オーナーは撮影当時、弱冠26歳。古いバイクやアイテムだけでなく、高性能な現行パーツも大好きだという。
オーナーいわく、レアパーツを入手する上で意外と穴場なのが、ガレージセール。ネットオークション上では高額の値が付くお宝パーツに、思いがけず巡り合え、交渉次第では、格安で入手できることもあるそうだ。
乗りもの館(のりものや)とは…...1970年代から1980年代頃まで存在したバイク用パーツメーカー。モンキー用の外装パーツやサイドカーキットなどユニークなアイテムをリリースしていた。JRP製、MRD製、スーパーモンキー製などと同様、同社製パーツは今でもフリークの間では根強い人気。程度の良いものはネットオークションを中心に高値で取り引きされている。
乗りもの館からリリースされていた、8インチアルミ鋳造ホイール。ドラムブレーキ用ハブが一体となった、6本スポーク仕様のこのホイールは、同社からリリースされていた「モンキーダビッドソン(詳細は下記参照)」のオプションだったもの。ドラムブレーキ用ブレーキパネルは当時様々なモンキー用パーツをリリースしていたJRP製。
MRD(旧ミクニレーシング/現アグラス)製の懐かしいアルミスイングアーム。スタビライザーで補強された当時の本格派モデルだ。やや使い込まれた感じの外観が、レア度を助長。
燃料タンク部はカバーではなく、「本物の」燃料タンク。テールカウルは、ノーマルのテールランプがそのまま使用できるよう設計されている。鮮やかなイエローカラーのカウル類は自家塗装したもの。
フルカウルはノーマルのヘッドライトを装着したままで取り付けOKのタイプ。大きめのスクリーン越しに、ヘッドライトが前方を照射するのが特徴。
シリンダーヘッドは、大径のポートやバルブを備えた“横型エンジン最強”のSS50用(詳細は下記参照)。同ヘッドの流用は、70年代におけるモンキーカスタムの定番だった。
シリンダーヘッドカバーは、当時人気だったJRP製をチョイス。クラッチはSP武川製スペシャルで、ノーマルの「1次側クラッチ」から「2次側クラッチ」に変更して強化済み。
サイドスタンドはイノウエ製のスクーター用を加工流用。
大径のタコメーターはJRP製CB90用を加工・装着。タコメータードライブはデイトナ製旧タイプとしている。
☆エンジン系
排気量:106cc
シリンダーヘッド:SS50用純正
シリンダー&ピストン:SP武川(旧型)
クラッチ:SP武川 旧型スペシャル
キャブレター:ミクニVM26φ
マフラー:MAXIM WORKS
オイル取出口:スーパーモンキー
☆足周り系
フロントフォーク:早矢仕 正立型
ステム:MRD
スイングアーム:MRD
リアショック:早矢仕 280mm
前後ホイール:乗りもの館 8インチ鋳造
前後タイヤサイズ:3.50-8
☆外装系
乗りもの館 カウル
バックステップ:MRD
サイドスタンド:イノウエ改
タコメーター:JRP
ハンドル:乗りもの館