2.指定の日時(都合が悪ければ常識レベルでの変更も可)に指定の場所に出頭すると、クルマ(ナンバープレート含む)の正面から撮影されたモノクロの写真と、ドライバーの顔のアップ写真が張り付けられた、違反した日時、速度違反の日時、場所などが記載されている台紙を見せられます。そしてそのドライバーの写真が出頭した本人に間違いないことを認めると、事実確認(事情聴取)の後に、担当の警察官が必要事項を赤切符に記入し、それにサインすれば、とりあえず警察での処理は終わります。
3.警察に出頭してから1週間くらい経つと、検察庁(区検)から出頭通知が届きます。(出頭場所が簡易裁判所に指定されているからか、「裁判所から通知が届く」と言っているサイトをよく見かけますが、刑事事件の処理が警察からいきなり裁判所に飛ぶことはありえないので勘違いしないように。)通知に従い指定された簡易裁判所に行くと、
・警察の受付で再度事実確認を受け、略式裁判を受けるかどうかを聞かれるので、問題がなければ同意書にサイン。
・検察で事情聴取を受け、裁判所での略式裁判へ進む…とはいっても実際に裁判が行われるわけではなく、裁判官が罰金を決める間、待合室で待っているだけです(待ち時間は混み具合によって違いますが、早くて10分、遅くても1時間といったところのようです。)罰金額が決まると、その額が記入された赤切符を渡されるので、それを出納窓口に提出し罰金を払えば、刑事処分のすべてが終了です。
・違反をした日から大体、1ヵ月後くらいに、各都道府県から「運転免許停止処分通知」が届きます。もしその停止期間の短縮を望まないのであれば、それで終わり。望むのなら、運転免許センターで「運転免許停止処分者講習」を受けることになります。その講習で受けられる「期間短縮」は、講習後に行われる試験の成績によって、最大で停止期間30日で29日、60日で30日、90日で45日。かかる費用及び講習日数、時間は以下の通りです。
停止期間30日:13,200円(1日/6時間)
停止期間60日:22,000円(2日/10時間)
停止期間90~120日:26,400円(2日/12時間)
というわけで、出費はもとより、時間と手間がかなり浪費されることになります。とはいえ、オービスを光らせたら必ず出頭通知がくるのか、と言えば、それもケースバイケース。例えば「写真が不鮮明でクルマとドライバーを特定できない」、「フィルム式の旧型オービスのフィルム切れ」等、運が良ければ逃げ切れることもあるということです。
とはいえ、当然ですが、光らせないことが1番。設置場所を知っていても、「ついうっかり」というケースはよくあること。意識を研ぎ澄ませた運転を心がけたいものです。
Q:昨年の12月から施行された「ながら運転」の罰則強化ですが、「携帯電話使用等 保持」と「携帯電話使用等 危険」の違いがよくわかりません。それと、携帯電話などの注視は2秒以下ならセーフというのは本当ですか?(京都府・エナマッキーさん)
A:
確かに、今夏から施行されるかもしれない「あおり運転」の法制化同様、最近の改正道路交通法は実に曖昧な要素が多く、わかりにくいという声が上がっているというのは事実です。特に「ながら運転」は、「反則金18,000円 基礎点数3点」で済むか「免許停止 +罰金または懲役+前科」になるか、その違いは特大。ドライバーが憂慮するのは当然と言えるでしょう。
まず、「保持」と「危険」の違いですが、はっきり言って明確な規定はありません。その辺を警視庁に聞いてみたところ、以下のような回答を得ました。
保持:運転中に携帯電話を保持して電話をかけたり、スマホやカーナビの画面を注視し運転がおろそかになった場合。
危険:上記の行為が原因で、交通事故を起こした場合。あるいは明らかに交通事故につながる恐れがあった場合。
また、例え、単独事故(電柱やガードレールを破損させた等)でも警察官の判断次第で、「危険」が適用される可能性があるということです。
ちなみに、雑誌やネットで噂されている「携帯やカーナビ画面の注視は2秒まで」というのは真っ赤な嘘であり、警察によれば目安に過ぎないとのこと。くれぐれも間違った報道に惑わされないように!
Q: 最近、レーザー&レーダー探知機が何種類か発売されていますが、本当に、事前に取り締まりを察知できるのですか?(茨城県・ニューロさん)
A:
20年以上前のレーダー式スピード取締りでは、常に電波を発信していたために、10.525GHZ、いわゆるXバンドのレーダー波を捕捉できる探知機であれば、その有効性はかなり高かったようです。なにしろ業を煮やした警察が、取り締まり方法を、明らかに速度超過だと思われるクルマが来た時だけ電波を当てる、いわゆるステルス方式という決め打ちに変えたくらいですからね。
■固定式オービスの場合
それでは無人取締機と言われる旧型レーダー式オービス、あるいはHシステム、レーザー式Hシステムなどの固定式オービスはどうなのか、というと、無人取り締まり機という名の通り、自分で電波やレーザー波を発信するタイミングを変えることはできないだけに、今でも相変わらず、常電波を出し続けていると思われます。つまり、レーダー式オービスなら従来のレーダー探知機でも有効であり、レーザー式オービスでもレーザー&レーダー探知機であれば探知が可能ということです。とはいえ、最近のレーダー探知機やレーザー&レーダー探知機はレーダー(レーザー)受信より先にGPS機能による位置情報を警告してくれるので、固定式オービスに限っては、探知性能はあまり関係ないともいえるのですが。
ただし、埼玉県北本市と岐阜県大垣市のみに1機ずつ設置されているセンシス・ガッツォグループ勢のセンシスSSSに限っては、従来のXバンドではなくKバンドを使用して速度を測っていますので、Kバンドにも対応している最新のレーダー探知機でなければ対応できないということを覚えておきましょう。
■従来のネズミ捕り&移動オービス(可搬式速度違反自動取締装置)の場合
従来のネズミ捕りはレーダー式と光電管式、移動オービスにはレーザー式とレーダー式のともに2種類がありますが、どちらも位置が特定できない以上、GPSでの事前警告は不可能(探知機によってはネズミ捕りや移動オービスによる取り締まり目撃ポイントデータを格納しているものもありますが、それはあくまでも過去の出来事でしかない気休め程度のものです。)、当然、レーザー波またはレーダー波の受信機能に頼ることになりますが、残念ながらレーザーもレーダーも使用していない光電管式に関しては事前察知は100%不可能です。
では、レーダー式のネズミ捕りと移動オービス(レーザー式またはレーダー式)には有効なのかというと、有効なのはレーダー波とレーザー波を出しっぱなしで取り締まりを実施していた場合と、例えば前車に当たった決め打ちのレーダー波またはレーザー波を運よくとらえることができた場合等のみ。ステルス方式に対しては、探知した時にはすでに速度計測済みという可能性が高く、絶対的防御法はないといっても過言ではありません。レーザーまたはレーダーパトカーでも同様です。
つまり、例え最新のレーザー&レーダー探知機を装備しても、万全とは言えない、つまり過信は禁物ということです。