とにかくこれで東北6県中、5県に移動オービスの配備が完了し、残るは山形県のみとなったわけだが、山形県も福島と同じく、残る一般道の固定式オービスはHシステム1機のみ。移動オービス導入は、時間の問題と言えるだろう。
福島県が導入したのは、東京航空計器(以下「TKK」)製のレーザー式移動オービス、LSM-300。ちなみに、現時点で移動オービスを導入済み、あるいは導入が予定されている36都道府県中、実に31都府県(86%強!)が、このLSM-300をチョイスしている。北海道、千葉県、香川県などは、競合相手であるセンシス・ガッツオ社のレーダー式(MSSS)を導入しているが、絶対的性能はMSSSの方が上という説があるにもかかわらず、TKKの一人勝ちに近い圧勝となっているというのは事実だ(下記参照)。
その理由だが、レーダー機器を取り扱う際に必要な「無線免許」が不要なこと、従来のレーダー探知機では捕捉できないことが強みになっているのか、はたまた、警察庁が強引にLSM-300を推しているという噂通り、なんらかの忖度が働いているのかは、現時点では不明。が、何かしらの利得があり公平な入札を装うために「MSSS」が当て馬として利用していると考えることもできる。なにしろ、警察庁に「可搬式速度違反自動取締装置(移動オービス)」を先に売り込んできたのは、センシス・ガッツオ社(当時はセンシス社)であり、それに触発された警察庁が、移動オービスの導入を決めたという経緯がある。さらに、それに呼応して、TKKが、レーザー式移動オービスを後出ししてきたのだから。
果たして残る11府県はどっちを選ぶのか? この件については、先々(2020年度中?)、全国配備が達成された時点で、改めて検証してみたい。
★可搬式移動オービス導入都道府県(2019年11月現在/導入予定も含む)
【LSM-300】
■北海道・東北
青森県/秋田県/岩手県/宮城県/福島県
■関東甲信越
栃木県/群馬県/東京都/神奈川県/山梨県
■中部・北陸
長野県/富山県/福井県
■東海・近畿
静岡県/愛知県/三重県/和歌山県/滋賀県/奈良県/京都府/兵庫県
■中国・四国
岡山県/広島県/島根県/愛媛県(入札公募済み)
■九州・沖縄
福岡県/長崎県/佐賀県/大分県/宮崎県/熊本県(落札済み)
【MSSS】
■北海道・東北
北海道
■関東甲信越
埼玉県/千葉県
■東海・近畿
岐阜県
■中国・四国
香川県
★未導入府県
■北海道・東北
山形県
■関東甲信越
茨城県
■中部・北陸
石川県/新潟県
■東海・近畿
大阪府
■中国・四国
鳥取県/山口県/徳島県/高知県
■九州・沖縄
鹿児島県/沖縄県