さらに同大は、19年4月に自動運転の技術の全学的な研究組織として「自動運転技術開発センター」を設立して自動運転の実用化に向けた研究・開発を強化し、新開発体制により自動運転バスの開発に注力している。
今回開発した自動運転バスの実験車両は、マイクロバス「リエッセII」をベースに「自動運転AI(AIPilot/Autoware)」を実装したもの。AIを本格的に導入して走行する自動運転バスのためバス専用レーンや走行規制をした特定のコースだけでなく、市街地の一般公道で走行を目指す。
自動運転バスの開発にあたっては、普及の進んでいるAutowareを利用し、AIによる障害物の検知(識別・分類する)機能を強化した。ライダーやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により、周囲環境をAIで認識して障害物を回避して走行することも可能だ。
車両の仕様は長さ625×幅203×高さ261cm、重量は4.7t、24人乗り、4000ccディーゼル車。AIPilot/Autowareで自動運転可能な自動運転実証実験の試験車両となっている。
この開発は、埼玉県が将来の事業化を目指して行うスマートモビリティの実証を支援する「埼玉県スマートモビリティ実証補助金」(テーマ:公道走行可能な自動運転バスの実験車両とAIの実用化・市販化)に今年度採択されており、これにより開発を加速していく。自動運転バスの開発は、ミクニライフ&オートの全面的な協力により実現した。今後、この自動運転バスの実用化・市販化に向けた検討を進めていく。また今後、大学の地元地域等での公道による実証実験を計画している。