まずはレーザーによる測距(=Lidar/Laser Imaging Detection and Ranging)の特徴を知っておこう。
その測定方法は、3Dスキャンによって対象物を立体的に捕捉し、その捉えた立体の移動時間と距離によって速度を測るというもの。噂では複数車線を走るクルマすべてに対応しているといわれていたが、実際には測定できるのは、先頭車両のみということらしい。それは、LiHのカメラ&ストロボがそれぞれ一車線のみを狙っていることからも推測できるハズ(センサーはひとつ)。つまり、レーザー式の取り締まりに対しては、クルマの流れの中では、できるだけ、その先頭を走らないように心がけるというのも、ひとつの対応策かも知れない。
余談だが、そういう意味では、射程内に入った走行車の速度を同時に測定し、撮影車両の個々の識別もできるセンシス・ガスト社のレーダー式移動オービス、MSSSのほうが優れていると言えるだろう。
テストしたのは、国道1号線大阪府枚方市に設置されているレーザー式Hシステム(LiH)。つい最近、撤去されたHシステムのアーチを流用し、レーザー式オービスに姿カタチを変えた、最新オービスだ。
で、気になる平均受光距離は約300m手前となった。レーザー式オービスの測定距離は20~50m手前と言われているだけに、これなら十分に余裕をもって対処できるというものだ。
残念ながらレーザー式移動オービスには遭遇できなかったが、東京航空計器が製造するレーザー式速度測定装置(レーザースキャンセンサー)の基本システムは同一と予想されるため、可搬式移動オービスであるLSM-300/LSM-300Kやレーザーパトカーに搭載されるLSM-100に対しても有効なはず。事実、レーザー式オービス探知時に表示される取締機器の写真も、テストしたLiHではなく、LSM-300であったところからも、基本は一緒と判断してもいいだろう。
ただし、レーダー探知機につきものの誤作動、いわゆる街中に飛び交う取り締まり以外のレーザーやレーダーにやたら反応し、警報を鳴らすという問題に関しては、正直言って「やたら鳴る」という印象が強い。もちろん、これは実は誤作動などではなく、高速道路のETCレーン(レーザー)、交通量を測るレーザー式車両接近センサー、さらに最近増えつつあるクルマの運転支援システム(レーザー&レーダー)、コンビニの自動ドア(レーダー)などに反応するのは当然のこと。もちろん、メーカーも、電波の強弱で取り締まり用と区別したり、学習システムを組み込むなど、できるだけ精度を上げようとしているのだが、こればっかりはいたしかたないこと。まっ、使い慣れれば周囲の様子や警報の鳴り方、鳴る場所等である程度区別できるようになるはずだ。
先日、コムテックからも最新機能付きのレーザー&レーダー探知機がリリースされたが、とにかく、国民にとって得体の知れない機器による不当ともいえる取り締まりを回避するためにも、ぜひ、装備をおすすめしたい。
※コムテック製レーザー&レーダー探知機のテストは近日実施予定!