「現在のところ、(後方用)カメラを装着した車は、カメラを駐車時の視界確保に使う程度であるが、複数のセンサーを活用することで、高い安全性や自律性が実現するといったコネクテッド・カー時代に向けてその役割は変わりつつある。その中でも、カメラのイメージセンサーはADAS(先進運転支援システム)の最も重要なセンサーの一つとなる」
「後方用カメラによって駐車サポートを行う機能は、近年の新車では標準的になりつつある。これからは、ADAS機能強化のために前方や側方用カメラの装着率が高まっていくであろう。例えば、サラウンドビュー機能は、現状、ハイエンド車種向けのオプション装備だが、今後の5~6年で装着率は一気に高まると見込まれる。この流れの要因には、第一に政府が自動車メーカーに先進安全機能の搭載を求めている点、第二に消費者が先進安全機能を認知しそれを求めるようになった点にある」
「加えて、ADASのコスト低下を受けて、自動車メーカーが自動非常ブレーキなどの機能を主力車種の標準搭載機能にする動きがある。これに応じて駐車サポート等の付加機能も素早く成長するだろうと思われる」
また、Smart AutomotiveサービスのリサーチディレクターVinay Piparsania氏はこう付け加えた。
「米国と欧州市場が2018年の自動車装着用イメージセンサーの出荷需要の2/3を占めている。これは主に安全規制へ対応したものだ。例えば、2018年5月以降に生産される自動車は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の指導で、後方カメラ装着が義務付けられている。今後の前方監視のADAS用カメラの採用の伸びをうけて、2023年には米国で販売される車には1台当たり3個以上のカメラが搭載されるだろう」
さらに加えて、Piparsania氏は「中国は、新興国の中でも厳しい安全規制を設けている為、ここ数年でイメージセンサーにおいて最大の市場へと成長するだろう。Euro-NCAPの中国版であるNCAPにより、中国での車1台あたりのイメージセンサー数は高くなるだろう」と述べている。
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