ウインドリバーは、本日、自動車向けに安全性及びセキュリティを提供するソフトウェアWind River Chassis(*1)製品群の機能拡張を発表した。


*1: http://www.windriver.com/japan/products/chassis

 自動運転車は、常に周りの状況を感知し、情報をやり取りしながら、複雑な計算を瞬時に行う必要があるため、ダウンタイムのリスクを避けながら大容量のデータを高速に処理する必要がある。そのため、車載コンピューティングには極めて高い能力が求められる。今回のChassis製品群の機能拡張では、信頼性に優れた超低遅延のWind River Titanium Cloud(*2)仮想化ソフトウェアを統合し、要件の厳しいコンピューティングおよび通信ネットワークのニーズに対応する。


*2: http://www.windriver.com/japan/products/titanium-cloud/




 ウインドリバーのオートモーティブ担当バイスプレジデントのマーカス・マキャモン氏は次のように述べている。「自動運転業界は、初期の試験的プログラムを終え、実際の商用展開の段階に移行しています。これは、『何ができるか』から、量産段階に入るために『何をすべきか』へと、技術を拡張する必要があることを意味します。技術は、機能的要件を満たすだけでは十分でなく、自動車ビジネスをサポートするものでなければなりません。当社のChassisソフトウェアフレームワークとTitanium Cloudを統合することで、自動車からクラウドまでのコンピュートを単一システムとして提供することが可能になりました」




 ハードウェアの追加や衝撃を受けやすい車載スーパーコンピュータの高耐久化といった、より複雑化する自動車システムの課題に対応するには、従来のアプローチでは自動車の量産コストの増大につながる。コンピューティングの負荷を車からクラウドに移し、エッジクラウドコンピューティングをうまく活用することで、次世代自動車のコスト構造を変革させ、自動運転に求められる低遅延で信頼性の高いデータ処理を実現することが可能だ。




 マキャモン氏は次のように述べている。「自動運転を量産化するには、クラウドと車内の両方で、超低遅延で動的なコンピュートアーキテクチャが求められます。エッジクラウドコンピューティングでは、いつどこででも必要な時に複雑な演算ができる、柔軟性に優れたインフラストラクチャーと動的なアプリケーションの展開が求められます。当社のオートモーティブ技術をキャリアグレードの仮想化技術と組み合わせ、ネットワーク内のどこにでも展開できる、柔軟性に優れた安全なクラウドベースのインフラストラクチャーを提供します」

Wind River Chassis製品群

 Chassisは、ソフトウェア、技術、ツール、サービスを一体化し、自動車に搭載するソフトウェアシステムを簡素化して、IoT(モノのインターネット)への接続を管理することを支援する。




 Chassis製品群には、市場をリードするリアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)「VxWorks」、商用Linuxである「Wind River Linux」、Adaptive AUTOSAR向けのソフトウェアサービススタック「Wind River Drive」、インテリジェントなOTAアップデート/ソフトウェアライフサイクル管理ソリューション「Wind River Edge Sync」、製品の安全認証要件を満たす必要がある自動車メーカー支援ツール(コンパイラー)「Wind River Diab Compiler」、シミュレーションツールの「Wind River Simics」などが含まれ、導入のスピードと質の高い製品、サポート、インテグレーションサービスを包括的に提供する。




VxWorks


市場をリードする高性能なVxWorks®リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)は、TÜV SÜDのISO 26262 ASIL-D認証済み。様々な業界の350社以上の企業及び500以上の安全性認証プログラムで使用されている。


http://www.windriver.com/japan/products/vxworks/




Wind River Linux


Wind River Linuxでは種々の商用のオープンソースソフトウェアとともに技術サポート、メンテナンスサポートを提供し、顧客が最新の技術革新を活用していくことを支援する。また、ウインドリバーは顧客の幅広いニーズに対応し、複数のLinuxとリアルタイムOSのVxWorksをシームレスに連携させ、オープンソースと、実績のある認証済みのコンピューティングソフトウェアを組み合わせ、安全性と信頼性に優れた、費用対効果高いソリューションを提供する。


http://www.windriver.com/japan/products/linux/




Wind River Drive


Adaptive AUTOSAR向けのソフトウェアサービススタックであるWind River Driveを使用することにより、主要なソフトウェアアプリケーションやアルゴリズムをハードウェアアーキテクチャ依存から解放し、セーフティクリティカルなアプリケーションを開発することが可能。


http://www.windriver.com/japan/products/chassis/drive/




Wind River Workbench/Wind River Diab Compiler


組み込みソフトウェアデバイス、システムまたはネットワークを構築するための最高水準のツール。


https://www.windriver.com/japan/products/development-tools/




Wind River Edge Sync


遠隔地からのOTA(over-the-air)更新およびソフトウェアライフサイクル管理のためのソリューション。ソフトウェアとファームウェアを迅速かつ安全に更新することが可能。


http://www.windriver.com/japan/products/chassis/edge-sync/

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ウインドリバー:自動運転およびコネクテッドカーに向けた次世代ソフトウェアフレームワークを発表