1958年(昭和33年)に登場したスーパーカブには、市販化されず、東京モーターショーへの参考出品のみにとどまった “幻の”車両が存在する。スーパーカブの新たな姿を提案したモデルをご紹介しよう。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)


撮影協力●ホンダコレクションホール


PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net

近未来デザインを採用

シティカブ(1993年 東京モーターショー出品車)



 1993年(平成5年)に開催された「東京モーターショー 1993」に参考出品。スーパーカブらしさを強調しつつ、「20XX年」の近未来デザインを採用したコンセプトモデル。スーパーカブの原点に立ち帰り、パーソナルコミューターとしてのスーパーカブの新たな姿を提案した“知る人ぞ知る”車両だ。




 前後のサスペンションには、片持ち式を採用。エンジンはスーパーカブ伝統の空冷4サイクル単気筒OHC 49ccだが、ミッションはギア操作を省いたオートマチック式とするなど、当時のホンダの最新テクノロジーが随所に投入されている。









間もなく発売?! 電動式のスーパーカブ

EV-Cub Concept(2015年 東京モーターショー出品車)



 EV-Cub Concept(イーブイカブ コンセプト)は、2018年に発売が予定されていたスーパーカブの電動バージョン。




 2016年2月、ホンダは「EV-CUB Conceptをベースに量産化したEV-CUBを、2年後をめどに日本で発売。その後、カブシリーズの最大市場でもあるアセアン主要国に導入を計画。人々の生活に根付いたカブを用いて、EVの普及と、CO2の削減を目指す」とアナウンスしたが、2019年2月現在、発売は未定となっている。




 外観は、初代スーパーカブのC100が持つ、優しい曲面基調のスタイリングを継承しつつ、洗練されたイメージにデザイン。カラーリングは、クリーンなイメージと質感の高さを持つパールホワイトが採用されている。




 EV-Cub Conceptは、フロント&リヤホイール内に電動モーターを内蔵することで、前後両輪駆動が可能となり、走行安定性をアップ。




 動力源はリチウムイオンバッテリー。これを車体中央の低い位置に搭載することにより、乗降性を高め、低重心化を推進。これにより、取り回しの良い車体を追求しているのが特徴だ。




 EV-Cub Conceptの最大のポイントは、レッグシールド内側にプラグを配置し、家庭用100Vコンセントで充電可能なところ。航続距離は1回の充電で50kmとしている。




 着脱可能なバッテリーは、メインフレーム下の足元に配置し、安定感を高めている。





情報提供元: MotorFan
記事名:「 「シティカブ」と「EV-Cub Concept」新たな姿を提案した未来のスーパーカブたち