また、自動運転を軸にした自動運転タクシーやシャトルバス、駐車サービス等の自動運転サービスも、自動車メーカーやサプライヤーに大きな市場機会をもたらす見込み。フロスト&サリバンの予測では、自動運転を軸にしたモビリティ・車両サービスや、ロジスティクスおよび周辺サービスといった自動運転サービス市場は2030年には世界全体で計2,000億米ドルに到達する予測。
*本予測での自動運転サービス市場には次の12の領域が含まれる:モビリティサービス(自動運転タクシー、自動運転シャトルバス、自動運転モノポッド〔小型シャトルバス〕)、車両サービス(オンデマンド機能アップデート、駐車サービス、製造・所有・運行・保守点検)、周辺サービス(オンデマンド・ユーザー保険、車両データーサービス、車両整備予測)、ロジスティクスサービス(カーブサイドデリバリー、廃棄・修理、ハブ間輸送)。
中でも自動運転タクシーやシャトルバス事業を中心にしたモビリティサービスが、自動運転サービス市場全体の65%を占める見通しだ。
自動運転車は交通ハブと次の目的地との間を結ぶことで「ファーストワンマイル・ラストワンマイル」問題を解消するほか、コスト効率や利便性、運用効率性も高いことから、シェアリングサービスでの活用が進む見込み。初期段階では、ある地点と次の目的地をつなぐ小型の自動運転シャトルバスでの利用が進む見込みだ。第二段階では、自動運転のオンデマンドバスや乗用車の配車サービスが拡大する見通し。その後第三段階として、利用目的や乗員人数、搭載機能等によってタイプ毎に分かれた自動運転の配車サービスを、ユーザーが自由に選んで利用する形へと進化して行くことが予想される。
「今後自動車メーカーは自動運転サービス市場での収益化を目的とした合弁企業の設立やパートナーシップ、企業買収といったオプションを検討するでしょう。また、今後ティア1サプライヤーの役割も変化し、ハードウェアに依存しないソフトウェアなどのインテグレーターへと移行すると同時に、技術提携や買収・合弁が新たなモビリティのエコシステムを形成する上で必須となるでしょう」と、フロスト&サリバンのモビリティ部門欧州地域ディレクター、フランク・レベック氏は話す。