自車のディスプレイには、繋がっている他車や沿道に設置されたインフラカメラから送られてくる映像が表示される。今後導入されていく5Gと車対車(V2V)ネットワークを活用してこれらのデータを統合し、シンプルかつ高度な路上の画像を生成する。ドライバーにとっては、まるで障害物が透けて前方が見えているような画像だ。向上した視界と充実した情報により、追い越し時の安全確認に余裕が生まれる。
CEATEC JAPAN 2018でヴァレオは2台の接続された車によるデモンストレーションを実施する。XtraVueを起動させると、目の前で視界を遮っている車がモニター上で半透明になり、前方が確認できるようになる様子をリアルタイムで体験してもらえるだろう。
また、ヴァレオはレーザースキャナー 「ヴァレオSCALA 2」 の検知デモンストレーションを実施する。SCALA 2は、2017年にドイツのプレミアムブランドの車に搭載され(注:アウディA8)2018年のPACEアワードを受賞したレーザースキャナーSCALAの最新モデル。新型SCALA 2 は、現行品に比べて垂直方向の視野角が3倍広くなり、路面表示の読み取りなどへの活用が可能になる。また、広い視野を幅広い角度で高解像度かつ正確に検知することができ、昼も夜も低速でも高速でも機能し、静止物も動く対象物もあらゆる障害物を検知する。SCALA 2は、高度な自動運転を実現するためのキーデバイスとなるだろう。
自動運転車の開発では、既に優れた市場実績を持つ自動化機能が広く採用されていく一連の継続的なステージがある。この革命の起点となるのが、乗用車や輸送用車両などが走行中に周囲の環境に関する情報を把握し理解する際に必要となるセンサー類だ。ヴァレオは、超音波センサー、カメラ、LiDARシステム、そしてレーダーに至るまで、自動車業界で最も広範にセンサー類を提供している。
さらに、ヴァレオは「AI 3D認知技術」の実演も行う。これは、ディープラーニングを活用した画像認識により、自動運転に必要となるさまざまなタスクを実現するソリューションだ。高解像度の魚眼レンズを用いて360˚検知し、高精度な物体検知と姿勢推定を行う。自動駐車や自動運転での重要なデータとなる車の全周囲にある対象物の位置とサイズと、それぞれの移動方向を認知することができる。
あらゆる状況に対応した自動運転を実現するための課題の一つは、特に市街地での込み入った状況での走行だ。市街地には、三差路や路面標示のない道、表示のない交差点など、明確な区分がなされていない道路が多く存在する。そのため、近くにいる全ての他車を検知し、その軌道を予測することは、市街地で自動運転を行い、道路を行き交う全てのユーザーの安全を確保するために重要なテクノロジーである。
CEATEC JAPAN 2018 ヴァレオ 展示ブース:ホール3 No. D004
ヴァレオXtraVue 実車デモンストレーション: ホール5 Co-Creation Park
ヴァレオ記者会見: 10月16日(火)午後1:00~1:30 幕張メッセ プレスセンター特設会場にて開催