カングーはフランスでは郵便配達にも使われているのです。
今回はフランス北東部のモブージュという街で、
ホンモノの郵便局員のおふたりを直撃取材!
タフな道具としてのカングーの魅力を語ってもらいましょう。
鮮やかなイエローのボディカラーが目印の郵便配達仕様車。カングーはフランスだけではなく、スイス、ポルトガル、スウェーデンでも郵便局の公式車両に採用されている。
一日4〜5時間は配達でカングーに乗っているというブルーノさん。配達の仕事は「乗っては降り、乗っては降り」の繰り返しなので、完璧なポジションで運転できないこともしばしば。ある程度ラフな姿勢も許容してくれるカングーのシートをベタ褒めだ。
助手席を前に倒すと完全にフラットになり、バスケットなどをセットするためのアタッチメントを設置できる。専用設計だから剛性感も抜群で、少々雑に扱ったところでビクともしない。先代カングーの時はグラグラ揺れたそうだ。
配達仕様はディーゼルなので、レブカウンターは6000rpmまで。燃費運転を心掛けるため、1500〜2000rpmの位置にマーキングしてある。これは工場出荷時に付けられるという。
ルノーがLa Posteの協力を得て開発したサイドブレーキレバー。平均して一日300回もの操作を繰り返す配達員たちの意見を取り入れ、この形に辿り着いた。「しっかり握らなくても簡単に親指に力が入るから、ブレーキリリースが楽なんだよ」とブルーノさん。
日本でも人気のダブルバックドアだが、ルーツはもちろん配達仕様車。後ろに迫り出す長さがハッチゲートよりも短い上、ちょっとだけ開けて中のモノを取り出すことも容易にできる。「開閉に掛かる時間もダブルバックドアの方が短いんですよ」とセバスチャンさん。時間に追われるポストマンならではの意見だ。
A4サイズの書類がピッタリ収まるサイズのダッシュボードのトレー。ブルーノさんの配達車には、伝票やらカッターやらが無造作に突っ込まれていた。「勢いよく走っても動かないから、気軽に何でも置けるよ」
ホイールハウスをはじめ、出っ張りが少ないラゲッジスペース。ボディ断面は限りなく正方形に近く、限られたディメンションの中で最大限のスペースを稼ぎ出していることがわかる。バックドア開口部の下端と荷室床面がほぼ同じ高さであることもポイントだ。
※本記事は「ルノー・カングー20周年のすべて」から抜粋したものです。
「いま、初代カングーってどうなの?『Renault Kangoo 1st Generation』」はこちら!
今年で生誕20周年を迎えたルノー・カングーを徹底解剖する一冊。日本とフランスで徹底的に走り込んだ試乗レポートや、フランス郵政公社「ラ・ポスト」の本物の配達人へのインタビュー、そしてこれまで日本で販売されたカングーを限定車も含めてすべて紹介するなど、カングー好きの知識欲を満足させる盛りだくさんの内容になっています。
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