世界の鉄道産業市場は、今後も成長する見通しだが、大量輸送機関である鉄道は、安全性の確保が厳しく求められており、中でも欧州における車両および車両に搭載するシステム・部品にはRAMS規格と呼ばれるEN50126、EN50129の適合が必須となる。
蓄電池システムがRAMSの安全目標を達成するためには種々の対策が求められるが、「SCiB」は異常発熱や発火を起こしにくい構造となっているため、機器箱も含めた蓄電池システムでの内部短絡発生に伴う事象の対策が不要。さらに-30℃の環境下でも充放電可能な性質であるため、低温時の保護も不要となる。
「SCiB」の安全性での特長を活かし、監視及び制御システムを簡素化することで信頼性を上げ、さらにハードウェアのみで構成することで誤動作のリスクを低減した多重安全構成を採用した。
国内の鉄道車両では、「SCiB」の高い安全性、低温動作に加えて2万回以上の充放電が可能な長寿命などの優れた特性が評価され、ディーゼル発電機とのハイブリッド用電源や非常走行用電源等に採用されている。
同社は今回の認証取得を受けて、今後の欧州をはじめとした海外および国内向けの鉄道向け蓄電池システム事業の強化を図っていく。