というわけでスバル・フォレスターを走らせるまでの手順をご紹介してみることにする。グレードはPremium。すでに一般化しているようにクルマに「カギ」というものはなく、ドア開閉時にピッコラピッコラするボタンのついている、いわゆるスマートキーでクルマを動かす仕組みだ。
スマートキーが車内にあればスタートボタンが機能する。場所はステアリングコラムの右下あたり。ブレーキペダルを踏みながらボタンを押すとエンジンが始動する。ぼくのようなオッサンだとキャブレター時代のクランキングのイメージから長押ししてセルを回し続けなきゃいけないなんて思うのだが、じつはちょっと一押しするだけでスターターは回る。この間に空燃比の調整や噴射タイミングまで制御されているのが近年のクルマの特徴だ。
ちなみにブレーキペダルを踏まないでボタンを押すとACCモードになり、電装品関連が立ち上がる。停車中にカーナビを操作したいときや音楽を聞きたいとき、給油中にオンボードコンピュータをリセットしたいとき、撮影でコックピットのインジケータを点灯させたいとき(笑)などに使用する。
エンジンがかかったらシフトレバーを操作。フォレスターはCVTだからP/R/N/Dレンジを備える。ゲート構造はストレートで、ノブ前端のロックボタンを押しながらDまで動かすのは皆さんご存じのとおり。なおDレンジにはMモードも備わっていて、無段変速機であるCVTをステップ制御することができる。シフトアップ/ダウンはステアリングコラムに備わるパドルで操作する。アップは右、ダウンは左だ。
パーキングブレーキは電動式。フォレスターというかスバルの解除は、ボタンを押す方式だ。シフトレバーの右後方に備わる。
この解除/作動の押し/引きがじつにややこしい。各ブランド/各車によって方向がまちまちなのだ。フォレスターは押して解除するのだが、つまり引いてブレーキ解除というクルマもあるというわけ。個人的には「サイドブレーキ」時代の操作方向とそろえて「解除は押し/作動は引き」にしてもらいたいのだが……皆さんはいかがだろうか。
ついでにMモードのシフトレバーの操作方向にもお作法がふたつある。フォレスターはパドルシフト方式だが、レバーをDレンジから右(あるいは左)に倒したあとに、シフトアップは前/ダウンは後という陣営と、アップは後/ダウンは前という陣営に分かれるのだ。コレがもう、なんというかじつにややこしい。しかもこちらはそれぞれの言い分にそれらしき筋が通っていて、さらにややこしい(笑)。
ついでに、乗り込んでからエンジンをかけるまでの、乗車姿勢調整方法についてもご紹介しよう。クルマは同じ、フォレスターのPremiumグレードである。
Premiumグレードは運転席のパワーシートが備わっているので、スイッチで操作する。鉛直方向の縦型スイッチが背面リクライン、水平方向の横型スイッチがスライドとリフターである。
ステアリングホイールのチルト/テレスコ調整機能は機械式。コラム下左方にレバーがあるので、それを奥に倒す方向で解除し、ポジションを合わせる。
このレバー方向も、向こうから引き寄せるタイプと奥に倒し込むタイプがあってややこしい。
サイドミラーの調整はドアトリムに設置。上から、サイドミラー格納ボタン、左右ミラー調整ダイヤル、ドアロック施解錠ボタン、前席サイドガラス、後席サイドガラス、サイドガラスのコントロール制御ボタン。
サイドミラーがたたまれていたらいちばん上のボタンでウィンウィンさせる。狭い道で譲り合うときなどにも使うボタンだ。サイドミラーの調整は右のミラーを動かしたかったらダイヤルを右に回してから、調整したい方向にダイヤルを傾ける。
個人的には世界一の先進安全技術と信じて疑わない、スバルのアイサイト。まったく掻痒がなく、じつにすばらしい。世界中のクルマに備わってほしい。
というわけでフォレスターをご購入の方々はぜひジャンジャン使ってほしい。使い方は簡単である。
これだけである。すると、現在の走行速度でACCが作動、速度を高めたければシーソースイッチを上方に、低めたければ下方に倒せばいい。キャンセルはもう一度右上のセットボタンを押す。渋滞で停車してからの回復はアクセルペダルないしはシーソースイッチで。まことに簡単である。ちなみに、車間距離の調整はシーソースイッチ左方の上下のボタンを用いる。
ACCはもっともっと使われるべきだ。高速道路の登坂路で渋滞することも少なくなるし、無用な渋滞の延長もなくなる。せっかく備わっている高機能、ぜひ活用してほしい。