さて、そのシャシーの上に載るパワートレーンも、軽自動車では唯一となる基本的に後輪駆動(トランスファーで前輪にも駆動力を伝えるパートタイム式4WD)で、フロントに積むエンジンは縦置きだ。
そして、そのエンジンは、いわゆる”フロントミッドシップ”と呼ばれる位置に搭載されている。ジムニーの場合は、660ccのR06A型直列3気筒ターボエンジンを縦置きするわけだが、3気筒の1番シリンダーがフロントアクスルの直上にくる。1.5ℓ直4自然吸気エンジンのK15B型の場合でも、1番シリンダーと2番シリンダーの間がフロントアクスルの上にくるレイアウト。
軽のジムニーの前後重量配分は、ほぼ50:50である。
ジムニーのR06Aエンジンは、先代のK6Aと比べてボアピッチ(ボア中心間距離)が2.5mm短い77.5mmだ。これでエンジン長が短くなり、重量も約4.8kg軽くなっている。
ジムニーシエラのK15Bエンジンも、先代のM13Aと比べてボアピッチが13mm狭い81mmとなっている。重量もM13Aの94.2kgからK15Bの79.9kgと14.3kgも軽くなっている。
このあたりも、エンジンをできるだけ車体中心に積み、前後重量配分を50:50に近づけられた要因だろう。