REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
スズキ・SWISH……318,600円(6月26日発売)
スズキ・SWISH LIMITED……340,200円(9月21日発売)
■[遂に詳細公開] 中身もこだわりが満載でした! 新型125ccスクーター「スウィッシュ」/スズキ これまでスズキの原付二種クラスのスクーターはアドレス110とアドレス125がリリースされており、それ以前は通勤快速スクーターの異名を持つアドレスV125/Sが展開されていた。「このスウィッシュは、アドレスV125/Sの代わりとなりうるか」。世の原付二種ユーザーにとって気になるのは、この一点だろう。
スウィッシュは上質なスタンダードスクーターとして「軽快に」、「スタイリッシュに」、「便利に」、の3点をキーワードに開発。ブランニューモデルとしての登場だが、実質的にはアドレスV125/Sの後継モデルと見て間違いない。事実、クラス最軽量のスマートボディや燃料噴射エンジンで人気を得たアドレスV125/Sと同じ前後10インチホイールを採用。
一方上級グレードのスウィッシュリミテッドに標準装備されるナックルバイザーにグリップヒーターやシートヒーター等のコダワリ部分は、アドレスV125リミテッド譲りのアイテムと言えるからだ。アドレスV125/Sユーザーの次なる乗り替え候補を担う意味でも、スウィッシュはかなり重要なポジションを占めるスズキの意欲作と言える。
車体は少し大ぶりに
縦型2灯のLEDヘッドランプの装備を始め、エッジを利かせたカウルデザインは上質かつ新鮮。右側への張り出しの大きなマフラーには 多角断面のカバーを採用し、後方へハネ上げられるサイドラインと共に精悍な雰囲気を醸しだしている。
早速試乗車に跨がるとアドレスV125/Sよりはひとまわりボリュームアップされているが、コンパクトで親しみやすい車格感は健在。降りて押し歩く時や向きを変える時などの取り扱いが楽で、このあたりは前後10インチホイールならではの恩恵である。サイドスタンド出し入れがしやすく、メインスタンドも立てやすいといった部分も、普段使いとして優秀といえるだろう。
キー操作で簡単に開けられる前ヒンジ・シートは、ヘルメットプラスαのユトリある収納容積を誇る。フロントインナーラックや、その左にあるキー操作のワンアクションで開く給油口など、実用的な使い勝手に優れている。右端の5V1AのUSB端子は、アドレスV125/Sやアドレス110/125にはなかった装備。同じく標準装備のリヤキャリアも堅牢な造りだ。
アドレス125と共通のエンジンユニット
ちょっとそこまで!には、やはり10インチが最適だった
10インチホイールも前後ともワイドでハイトのあるタイヤサイズとすることで、小径のわりには落ち着いた操縦性を発揮。直進安定性も悪くない。路面のつなぎ目や荒れたギャップでは、流石にハネ易い傾向は見せたものの、乗り手に不安を抱かせるようなことはなく、Uターン等で披露した軽快さが魅力的に思えた。通勤通学の足として、基本的にアドレスV125で培われてきたスプリンター的な機能を一から見直したのであろう。スウィッシュの細部、ひとつひとつから熟成をしっかり感じることができた。
ディテール解説
足つきチェック
■主要諸元■
型式 2BJ-DV12B
全長 / 全幅 / 全高 1,830 mm / 740 mm / 1,095 mm
軸間距離 / 最低地上高 1,250 mm / 120 mm
シート高 770 mm
装備重量 115 kg
燃料消費率 国土交通省届出値:定地燃費値 51.0 km/ℓ (60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 50.1 km/ℓ (クラス1) 1名乗車時
最小回転半径 2.0 m
エンジン型式 / 弁方式 AF11・強制空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ
総排気量 124 cm3
最高出力 6.9 kW 〈9.4 PS〉 / 7,000 rpm
最大トルク 10 N・m 〈1.0 kgf・m〉 / 6,000 rpm
燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム
始動方式 セルフ式
潤滑油容量 0.8 ℓ
燃料タンク容量 5.5 ℓ
クラッチ形式 乾式自動遠心シュータイプ
変速機形式 Vベルト無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
ブレーキ形式(前 / 後) 油圧式シングルディスク / 機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ(前 / 後) 100/90-10 56J / 100/90-10 56J
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成28年国内排出ガス規制に対応