シンダーブロックも新規。クランクケースの1番と5番(従来は5番のみ)のジャーナル部に焼結スチールのジャーナルピースを一体鋳造し、クランクシャフトの締結力を高めている。それによって、増大した燃焼圧力によるクランクシャフトによる振動を抑えている。
水平対向エンジンをフロントに搭載する場合(そして、そのレイアウトをとる量産メーカーは、世界でスバルだけ)、サイドフレームとの兼ね合いから、エンジンのストロークを延ばすのは難しい。つまり最近の技術トレンドであるロングストローク化のハードルは高いのだ。
前世代の2.0ℓBOXERのEJ20のボア×ストロークは、92.0×75.5mm。ボア/ストローク比は0.82だった。2.5ℓのEJ25は、99.5×79.0mmでボア/ストローク比は0.79。
スバル技術陣は、さまざまな工夫を施して新世代FB20型では、ボア×ストロークを84.0×90.0mmとして、ボア/ストローク比を1.07とした。昨今のモジュラーエンジン思想でいけば、ボア/ストローク比をそのまま相似形にして排気量アップすれば2.5ℓ化できるわけだが、前述したように横方向の寸法的な制限でストロークは延ばせない。実際、FB25型のボア×ストロークは、94.0×90.0mm。ボア/ストローク比は0.96だ。しかし、EJ25の0.79から考えると、かなり「ロングストローク化」されたと言っていい。それでも、ボア径は94.0mmと大きい。今回のFB25型は、ビッグボアに最適な燃焼設計を見直している。つまり燃焼コンセプトが違うだけだ。