協和合金と言えば、国内のほぼすべての自動車メーカーにMT(マニュアル・トランスミッション)のシンクロナイザー機構を供給してきた。昨年、創立70周年を迎え、新規事業分野としてEV用変速機の開発に取り組んでいる。


TEXT:牧野茂雄(MAKINO Shigeo)

 この変速機の最大の特徴は、シンクロナイザー機構を使ったシームレス変速である。3軸のうち上がモーターからの入力、2軸目が変速機構。下段の3軸目は出力軸で、この試作品では遊星デフを内蔵する。左右オンボード2モーターEVを想定しており、製品化に向けた試作が進められている。


 実際の動作は、アクセルペダルを踏みっ放しにしていても、あらかじめ設定されたモーター回転数や車速を基準に変速を行なう。試作品は4速ギヤを持ち、変速はシンクロナイザーリングを小型のモーターを使って動かすことで行なう。MT車でドライバーがクラッチペダルを踏んでギヤを入れ替えて接続をシンクロナイザーが補助する機構を、モーターを沿わせる動作で行なう。レバーやボタンでギヤを選ぶ手動選択にできるという。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 MTシンクロ専門メーカーの協和合金がEV変速機を開発