気筒休止の構造としては可変ストローク式のラッシュアジャスタを用いるというもの。油圧の有無でロッカアームの支点として支える/スコスコ抜けることで支えないという使い分けをすることでカム運動をロストモーションにしてしまうという仕組みです。写真をよく眺めると、左側はボディ中間部のピンが見えている、右側はそれが抜けているのがわかります。案外大きいものなんだなあというのが正直な感想、サプライヤはシェフラーのようでした。
直列4気筒の気筒休止を図るとき、1/4番か2/3番かという選択があります。マツダは前者の1/4番休止。「これってどっちを選ぶっていうのはどういった流儀によるんですか」と訊いてみたら、いろいろ計算して実験して検討して──という泥臭い結果によるもののよう。とはいうものの、両端を止めることで燃焼圧がかからなくなることによるクランクのストレス低減は期待できるようで、しかし振動の発生はいずれの休止方式を選択しようとも不可避で──ということを説明してくれました。
その振動を抑えるのはトランスミッション側で、スターティングデバイス内に収められているトーショナルダンパが担っています。気筒休止システム搭載にともなってトーショナルダンパにも手が加えられたとのこと。このあたり、原動機も変速機も内製なマツダのフレキシブルさが光ります。
気筒休止を搭載しているのは先述のようにG2.5。CO2排出量抑制という目的を考えれば、さらに量販帯のG1.5やG2.0のほうが効果的なのではないかと思うのですが、欧州市場で主力な2.5Gからまず開始したとのこと。システム搭載に当たってのシリンダヘッドの大きな改変はなし、油圧サーキットの取り回しと可変式ラッシュアジャスタを載せるところのみにとどめたそうです。これならきっと小排気量判も早晩登場することでしょう。