日立が提供するV2X(EV、PHVなどの蓄電池を車両と、ビルや電力網などの間で電力を互いに供給するためのシステム)充電・放電器は、電動車両に充電を行うだけではなく、電動車両から電気を取り出してオフィスビルや送電網へ送電することが可能。また、電動車両からの給電は電力系統(発電、送電、配電といった電力生産から消費に関する設備全体)の調整にも活用できる。
また、太陽光発電パネルと接続すれば、太陽光発電の余剰電気を電動車両の駆動用電池に蓄電し、この電力を必要に応じて送電網にも戻すだけでなく、非常用電源としても機能させられる。
今回の実証における各社の役割は次のとおり。
・三菱自動車は、再生可能エネルギーの蓄電デバイスとしても活用できるSUV型プラグインハイブリッド車の『アウトランダーPHEV』を提供している。
・日立ヨーロッパは、電動車両、オフィスビル、送電網などと接続可能なV2X充電・放電器を提供している。また、車両とビル、車両と送電網を統合させる技術も提供している。
・エンジーは、電動車両やオフィスビルの電力供給システムと、太陽光発電パネルなど再生可能エネルギーを統合させ、スマートビルディングを構築させる技術を提供する。
次のステップでは、電動車両、再生可能エネルギー、オフィスビルの電力マネジメントシステムをどのように連携させれば、オフィスビルの電力を平準化できるのかを検討していく。
三菱自動車の常務執行役員であるコベバンサン氏は、V2B技術などを活用したスマートシティの発展における電動車両の役割について「この実証事業は、低炭素でエネルギー効率の優れたスマートなビルを構築するための新しい手法として貢献が期待されます。当社はEVとPHEVが将来の都市エネルギーの重要な要素となることを示したいと考えております」とした。