日本上陸を果たした。先日のJAIA試乗会ではリヤシートへの同乗走行が行われていたが、
今回はなんと自らステアリングを握るという幸運に恵まれた。
TEXT&PHOTO:小泉建治(KOIZUMI Kenji)
圧倒的な存在感
クルマにしてクルマに非ず───ロールスロイス・ファントムと相対したときの第一印象である。仕事がら様々なクルマを運転する機会があるし、個人的にはかつてキャデラックを所有していたこともあって、大きなクルマには慣れている……はずだが、目の前にあるこれは、もはや「大きなクルマ」とかそういう類ではなくて、まるで別の乗り物だ。
とにかくデカイのは言うまでもないが、絞り込みという概念を一切感じさせない「長方体」そのもののフロントセクションと、その先端にそびえ立つパルテノングリル、そして広大なキャビンスペースなどが、その巨大さをさらに強調させている。全長、全幅、全高といったモノサシ的な大きさではなく、なんというか、自分のいる空間一帯の中に占めるファントムの体積の比率が高い。圧迫感とでも言おうか?
本来であればリヤシートにドカッと腰を据えるのがこのクルマの正しい使い方なのだろうけれど、残念ながら私ひとりしかいないので、ドライバーシートに乗り込む。
今回の私の立場を白状すると、日本初の国内試乗を許された気鋭のジャーナリストでもなんでもなくて、GENROQ誌にレポートを書いていただく清水和夫さんにファントムを届ける運び屋に過ぎないのだった。だから本気の試乗記は2月26日発売のGENROQ4月号を乞うご期待であります。
走り出せば意外と取り回し良好……なんてことはない!
横綱に相応しい立ち振る舞い
ショーファードリブンとしての本分を全うしている
●ロールスロイス・ファントム EWB(エクステンデッド・ホイールベース)
全長×全幅×全高:5990×2020×1645mm ホイールベース:3770mm 車両重量:2750kg エンジン:V型12気筒DOHC 排気量:6.75L 最高出力:571ps/5000rpm 最大トルク:900Nm/1700rpm トランスミッション:8速AT 駆動方式FR フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン リヤサスペンション:5リンク 0-100km/h加速:5.4秒 最高速度:250km/h(リミッター介入) 価格:6540万円