デンソーは、2007年からハイブリッド車や電気自動車向けに、「パワーコントロールユニット(PCU)」を提供している。PCUは、電池からモータージェネレーターに流す電流を調整するインバーターなどを備えた製品で、エネルギーをより効率的に使うためには、電流を直流から交流に変換する際のエネルギー損失を抑える必要がある。そのため、デンソーは従来から低損失パワー半導体の研究開発に取り組んできた。
FLOSFIAは2011年に創業した京都大学発のベンチャー企業で、α-Ga2O3を用いたパワー半導体の事業化に取り組んでいる。2015年に世界最小のオン抵抗0.1mΩcm2のSBD(Schottky Barrier Diode)試作データを発表、2016年に新規p型半導体α-Ir2O3、2017年9月にDC-DCコンバータでの動作実証に成功するなど、世界に先駆けてα-Ga2O3の研究開発、事業化に取り組んできた。
両社はα-Ga2O3の車載応用に向けた共同開発を通じ、自動車の電動化におけるキーユニットであるPCUの技術革新を目指す。これにより、自動車の軽量化や燃費改善を推進し、環境性能の向上に貢献する。
【株式会社FLOSFIAの会社概要】
会社名 株式会社FLOSFIA(フロスフィア) http://flosfia.com
所在地 京都市西京区御陵大原1番36号 京大桂ベンチャープラザ
代表者 人羅 俊実
資本金 22億6千万円(資本準備金等含む)(2018年1月4日現在)
事業内容 α-Ga2O3パワー半導体の研究・製造・販売、各種金属酸化膜等の材料販売・成膜加工サービス