BMWグループは2007年にBMW iの先駆的事業としてプロジェクトiを立ち上げ、早い段階でエレクトロモビリティへの総体的な取り組みを開始した。翌年には、自動車業界では初めて電気自動車のテスト車両を多数用意し、世界各地で大規模なフィールド・テストを行っている。世界で最も多くの賞を獲得した車両コンセプトを採用したピュアEVモデルのBMW i3は、2013年に量産が開始。以降過去4年連続で販売台数を伸ばし続けている。
早期にエレクトロモビリティへの取り組みに注力したおかげで、BMWグループはすでに電動車市場において主導的地位を確立している。独立機関のPOLK/IHSの報告書(2017年12月7日公開)によれば、BMWグループはヨーロッパでのピュアEV車両およびプラグイン・ハイブリッド車両の新車登録台数に関して競合他社を大きくリードしており、市場占有率は21%に及ぶ。つまり、電動車部門におけるBMWグループのシェアは、従来型エンジン・モデルの市場シェアの3倍以上にもなっている。現在、欧州の全自動車メーカーの新規登録車両に占める電動車両の比率は2%だが、BMWグループ内で見るとすでに6%を占めている。BMWグループは、ヨーロッパで成長著しいエレクトロモビリティ市場の中ではかなり高いシェアを占めていると言える。全世界の市場における同社の地位の高さも同様で、グローバルの電動車市場でのシェアは10%に達している。
電動化モデルは、特に西ヨーロッパと米国での需要が高く、両市場におけるBMWブランドの販売台数の7%を占めている。スカンジナビアにおけるBMWのベストセラー・モデルはBMW i3であり、販売されたBMW車両の4台に1台が電動化モデルとなっている。ドイツでは、今年新車登録されたBMWグループ車両のピュアEVモデルとプラグイン・ハイブリッド・モデルが1万台を超えた。個々のモデルにおける動力源のバリエーションにおいて、電動化ドライブ・トレインはますます重要な役割を果たすことになる。2017年、グローバルにて高い人気を誇るBMW 3シリーズ セダンに、電動化モデルが加わった。また、2017年に販売されたBMW 2シリーズのアクティブ ツアラーのうち13%がプラグイン・ハイブリッド・モデルだった。さらに、MINIクーパーS EカントリーマンALL4(日本市場ではMINIクーパーS EクロスオーバーALL4、燃費2.3〜2.1 リッター/100 km、CO2排出量52〜49 g/km)は、すでに世界中で販売されたMINIカントリーマンの一割を占めている。ピュアEVのBMW i3の販売台数も25%増加している(すべての数字は2017年11月時点の累計)。
BMWグループが販売する9台の電気駆動の四輪モデルを補完すべく、優れた都市型エレクトロモビリティとして理想的な自動二輪車「BMW Cエボリューション」を製造している。このスクーターは、新しいバッテリーを搭載することで航続距離を160kmまで拡大した。この電動式スクーターの販売台数は、昨年11月までの販売台数と比較して80%増加した。グローバルで計1,500台を販売したが、この数字は、2017年に販売した電動化モデル10万台には含まれていない。
今回の記録達成を祝うため、BMW本社の「フォー・シリンダー・ビル」は光のインスタレーションによって4つの直立するバッテリー風に装いを変え、BMWの遺伝子の一部である未来志向を表現。2017年12月18日午後8時から深夜まで実施された。このプロジェクトは、文化組織「Spielmotor Muenchen(シュピールモーター・ミュンヘン)」との協力にて実施された。このミュンヘン市とBMWグループとの官民共同体は、ミュンヘンに文化的多様性をもたらし、国内外の文化的目的地としての同市の役割を確立し、拡大することを目的として1979年に設立されたもの。