その中で同社は、最新のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)技術を搭載したコンセプトモデル「EMIRAI4」(イーミライフォー)や、2016年5月より高速道路での実証実験を行っている自動運転技術搭載車「xAUTO」(エックスオート)を公開。自動車の「電動化」「自動運転」「コネクテッド」に向けた同社の技術・製品を紹介している。
1999年の「OMNI1」から数えて14台目のコンセプトモデルとなる「EMIRAI4」は、
・高精度3 次元地図と高精度測位技術を用いて開発した高精度ロケータとの組み合わせによりHUD(ヘッドアップディスプレイ)上に自車が進むべき道路や車線をAR(拡張現実)表示する「AR対応HUD」
・タッチ操作に加え画面上に取り付けられた左右可動式のノブでも操作できる「ノブオンディスプレイ」
・斜め画面に車両周囲状況などを表示し、縦面の虚像には注意喚起などを見やすく表示する、2つの液晶パネルとハーフミラーを用いた「クロッシングディスプレイ」
を搭載している。
さらに、車内中央に設置した1台の広角カメラにより、運転席・助手席搭乗者を同時に個人認証し、双方の状態をセンシングすることを可能にした。
自動運転技術搭載車「xAUTO」は、前方および後側方監視ミリ波レーダ、前方監視カメラなどによる「自律型走行技術」に加え、準天頂衛星システムからのセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)信号と高精度3次元地図を組み合せた「インフラ型走行技術」を搭載。濃霧や雪道など視認性が悪い環境下や、トンネルなどCLAS信号が受信困難な状態でも、自動運転が可能なことを実証実験で確認している。
今後は、予防安全(自動運転)技術のグローバル対応として、準天頂衛星システムがカバーしない地域での測位補強サービスについては、CLAS信号と互換性のあるセンチメータ級高精度測位補強サービスの世界配信網を、同社が出資するドイツSapcorda社を通じて構築を目指す。さらに高精度3次元地図を、ダイナミックマップ基盤社やオランダHERE社などと連携し、ニーズに応じて組み合わせていく。さらに、日本だけではなく欧州や北米でも実証実験を行っていく計画。
また自律型走行技術では、前方および後側方を監視するミリ波レーダと前方監視カメラをさらに高度に組み合わせることで、一般道の交差点での衝突回避についても実現を目指す。なお、前方監視カメラは、イスラエルMobileye社の画像処理チップを搭載し試験評価を進めている。
さらに、10月20日に発表した、高音質オーディオブランド「DIATONE」(ダイヤトーン)の名を冠する車載用ナビ&オーディオおよびスピーカーの新モデルも展示した。
8インチ画面のハイエンドオーディオ&カーナビゲーションシステム「ダイヤトーンサウンドナビNR-MZ300PREMI」は、アナログ入力回路見直しや外部出力アンプの同相ノイズ除去能力の約30倍向上などにより、外部機器接続時の音質を改善。
さらに、ハイブリッド型音声認識機能「スマートボイスコントロール」を搭載。準天頂衛星からの測位情報信号を受信できる準天頂衛星受信機「GS-300」(仮称、オプション品、2018年春発売予定)と接続可能にするなど、ナビ機能も進化させている。
ハイレゾ音源再生対応の2ウェイ埋め込み型スピーカー「DS-G300」は、トゥイーター(高音用スピーカー)とウーファー(中低音用スピーカー)の両方にNCV(ナノ・カーボナイズド・ハイベロシティ)振動板を採用。高音と低音が一体となって聴こえる高速・等音速なフルレンジサウンドを実現している。