そのサスペンションは、フロントがストラット、リヤがマルチリンク式。標準装備のタイヤ&ホイールは先代の17インチから18インチへとサイズアップし、最大で21インチのものを設定する。その一方、エンジン共々アルミを多用し最大55kg軽量化されることで、ハンドリング性能により一層磨きが掛けられた。
SUVに求められるオフロード性能も充分に高く、最低地上高は204mm、アプローチアングルは25.7°、デパーチャーアングルは22.6°、ブレイクオーバーアングルは19.4°、最高許容水深は500mmと、先代と同等レベルを確保している。そして、前後50:50の重量配分が堅持されていることは、もはや言うまでもないだろう。
空力性能もブラッシュアップされ、CD値は0.29にまでダウン。燃費低減だけではなく風切り音の低減にも寄与しており、そのうえで吸音シートを挟み込んだ「アコースティックガラス」をフロントウィンドウに標準採用、フロントサイドウィンドウにオプション設定し、特に高速域での静粛性を高めている。
先代においても充実していた予防安全技術はさらに進化し、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)は完全停止後の自動再発進に対応した最新のものへバージョンアップ。そして、側面衝突防止にも対応する「レーン・キーピング・アシスタント」および、車線変更を支援する「レーン・チェンジ・アシスタント」が、「ドライビング・アシスタント・プラス」パッケージとして新たに設定された。
さらに、逆走を警告する「ロング・ウェイ・ウォーニング」、交差点に進入する車両の存在を知らせて出会い頭事故を防ぐ「クロッシング・トラフィック・ウォーニング」も用意されている。
そのほか、全モデルへの標準装備化を急速に進めている最新のテレマティクスサービス「BMWコネクテッド」を標準装備し、7シリーズおよび5シリーズに先行採用された「BMWディスプレイ・キー」をオプション設定。3ゾーンオートエアコンやシートヒーター&クーラーなども用意され、快適装備は最新のプレミアムSUVにふさわしい水準へ引き上げられたといえるだろう。
エンジンおよびグレードは、360hp・500Nmの3.0ℓ直6ガソリンターボを搭載する、X3初のMパフォーマンスモデル「M40i」、252hp・350Nmの2.0ℓ直4ガソリンターボを搭載する「xDrive30i」、同じく2.0ℓ直4ガソリンターボで184hp・290Nm仕様の「xDrive20i」、これをFR化した「sDrive20i」、265hp・620Nmの3.0ℓ直6ディーゼルターボを搭載する「xDrive30d」、190hp・400Nmの2.0ℓ直4ディーゼルターボを搭載する「xDrive20d」の6種類をグローバルで設定する。これらに組み合わされるトランスミッションは、いずれも8速ATだ。
このうち、現時点で日本仕様に設定されるのは、下記の6グレードとなっている。
xDrive20i…6,390,000円
xDrive20i xLine…6,840,000円
xDrive20i Mスポーツ…6,870,000円
xDrive20d…6,620,000円
xDrive20d xLine…7,070,000円
xDrive20d Mスポーツ…7,100,000円
X3初のMパフォーマンスモデル「M40i」や、3.0ℓ直6ディーゼルターボの「xDrive30d」といった高性能モデルが未導入なのは残念だが、今後の追加に期待したい。
ボルボXC60やアウディQ5が一足先に世代交代し、ジャガーもE-PACEを投入するなど、ミドルサイズ高級SUVのセグメントは今、激戦の様相を呈している。果たしてこれら強豪をしのぐ走りを、新型X3は見せてくれるだろうか?