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3代目となる新型のコンセプトは「ダイナミック&ラグジュアリー~エモーショナルマルチパッセンジャーカー」だ。
発表・発売前に実質的なお披露目が済んでいたようなものだから、すでに実車をチェックしたり、ウェブや小冊子などで確認した人も多いはず。上下二段構えのヘッドランプユニット、縦・横に配列されたリアコンビランプなど、エクステリアの記号性を継承したルックスは期待通り、いや期待以上か。
サイドミラー下のショルダー部に入る〝Z”状のプレスライン、ウインドウを囲むクロームモールなど見どころは多く、先代では感じられなかったロー&ワイド感も大きな特徴。
ボディサイズを見ると先代に対して全長が80㎜、全幅が35㎜、ホイールベースも50㎜拡大されているのに対し、全高は95㎜も低いのだ。一方でキャビンのフロア高は最大で129㎜も低くなり、室内高は先代とほぼ同等。2列目付近では20㎜増えている。
先代のFRプラットホームではなく、ムラーノと共通となるFFのDプラットホームを採用したことことによる新パッケージングの恩恵といえる。
キング・オブ・ミニバンに相応しい「高揚とくつろぎ」がテーマのインテリアは、ドライバーの満足感や上質なプライベート空間を意識した。豊かな面構成が感じられるダッシュボードはクラス最大面積のグラデーション木目調パネルとクローム加飾によって高級感、質感ともに十分。ブルー照明のメーターはスイープ機構が付き、イグニッションはプッシュスタート式だ。
シートの仕様は圧巻だ。助手席は全車に座面クッション一体型のオットマンが付く。そして7人乗り仕様の2列目シートとあわせトリプルオットマンという贅沢ぶり。もちろん3席同時に使用できるスペースが確保されている。
しかも2列目はシートバック中折れ機能付きなので、体圧分布を理想的にできるため長時間ドライブでの快適性が高い。このトリプルオットマン+2列目シート中折れ機構付きは世界初の仕様だ。
なお8人乗り仕様の2列目は、大型アームレストが付く6:4分割式。3列目も6:4分割で収納はシートバックを前倒しするフォールダウン式だ。
贅沢といえばボーズ5・1chサラウンド付き後席プライベートシアターシステムも外せない。電動格納式の後席用モニターがこれまでの9インチに対し、なんと11インチの大型ワイドモニターになっている。
フロア高が低くなったことで乗降性が良くなったことはもちろんだが、さらに便利なのがワンタッチオートスライドドアだ。スライドドアのノブに設けられたボタンを押すだけで、ノブを引かなくてもオープン/クローズが出来るため両手に荷物を抱えたような状態の時に重宝する。これも世界初の装備だ。
搭載エンジンは、280ps/35・1㎏‐mを発生するVQ35DE型3・5ℓV6DOHC、170ps/25・0㎏‐mのQR25DE型2・5ℓ直4DOHCの2タイプ。前車は無鉛プレミアム、後者はレギュラーガソリン仕様だ。どちらも従来からあるパワーユニットだが、フリクションの低減や精度の向上などが図られ、燃費はクラストップレベルを実現している。
ミッションは従来の5速ATから無段変速のエクストロニックCVT‐M6となり、6速MTモードが付く。
バリエーションは、ハイウェイスターが実質的な標準グレードになったといえる。トップグレードは3・5ℓのみに用意されるハイウェイスター・プレミアムだ。ハイウェイスターはすべて18インチホイールを履き、2・5ℓのみに設定されるノーマル仕様の250XGは16インチが標準となっている。
※記事の内容、価格、スペック等は2010年8月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。