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ライバルの先を行く走りの良さも特筆
ボディサイズは全長、全高、ホイールベースが先代よりも少し縮小されたが、デザインが磨き上げられたので小さくなったようには見えず、存在感は確実に増している。
インテリアも最近の欧州車のトレンドに習い、タブレット端末風のメーターパネルやセンターモニターを採用。センターコンソールもハイマウントのブリッジ式となり、高級感と操作性を大幅に向上させている。サイズダウンの関係で後席は先代よりも若干タイトに感じるが、それでも十分に快適な広さを維持している。
パワートレーンは、エンジンで発電した電力でモーターを駆動する、新世代のe-POWERのみに一本化された。エンジンは先代と同じ1.2Lの3気筒だが、モーターやインバーターを刷新し、最大トルクを10%、最高出力を6%も向上させた。その結果、新型ノートは、より滑らかな加速性能を手に入れた。
旧型でも定評のあった発進加速は、さらに力強くなり、中間加速のレスポンスも良くなった。デフォルトのエコモードでもスムーズに走ることが十分に可能だが、スポーツモードを選択すれば、1.2Lエンジンのコンパクトカーとは思えないほど、活発な加速を見せてくれる。
何よりうれしいのは、静粛性が大幅に向上したことだ。先代同様に発進時はEV走行を行い、加速する際にはエンジンが始動するが、排気音や振動が抑えられているため、走りの質感がワンランク以上アップしている。アクセルを深く踏み込んだ時だけはエンジン音が聞こえるが、日常的にはピュアEVに乗っているような快適性を体感できる。あとから追加された4WD車は、後輪用のモーターが緻密な駆動力制御を行ってくれるため、前後のピッチングが小さくなり、さらに走りが上質だ。
e-POWERはアクセルを戻すだけで強い減速を得られるワンペダル走行が特徴だが、それも改良された。市場の要望もあって完全停止までは行わなくなったが、ブレーキペダルを優しく踏むような、より自然な減速感が与えられた。
プラットフォームが新しくなったことでハンドリングも進化した。旧型よりも操舵感が良くなり、応答性も向上しているので、素早く正確にクルマが向きを変えてくれ、思い通りのラインに乗せて走ることができる。乗り心地は少し引き締まったが、フラット感のある欧州車のような乗り味を手に入れている。
日産自慢のプロパイロットには、ACC(オートクルーズコントロール)での走行中はナビの地図データをもとに、カーブの手前で減速する機能を採用した。ACCで走行中に停車した際も、自動的に再発進を行う時間が30秒に延長されるなど、利便性を高めている。ヤリスやフィットなど、コンパクトカー市場はライバルも多いが、走りの良さと先進性で、ノートが頭ひとつリードしている。
日産のハイブリッドシステム「e-POWER」は第2世代へ
先代のノートから日産が採用している「e-POWER」とは、シリーズ方式のハイブリッドシステムだ。エンジンは発電のみに使用され、クルマの駆動はモーターのみで行う。先代ノートのあとに、ミニバンのセレナやコンパクトSUVのキックスにも採用されている。新型ノートでは第2世代のe-POWERとなり、エンジンの作動頻度低減、エンジン作動音の低減、車体遮音性能の向上などにより、エンジンを感じさせない1クラス上の静かさを実現。よりEVに近い力強く上質な走りを実現している。
上級グレード「ノート オーラ」は今夏デビュー!?
オーテックジャパンからカスタマイズモデルの「AUTECH」も登場しているが、ノートには「オーラ」と呼ばれる上級グレードが追加設定されると噂されている。フェンダーを広げて3ナンバーとし、前後バンパーのデザインも変更されて全長も伸ばされるようだ。パワーユニットは1.2Lのe-POWERのままだがパワーアップされて、スポーティなイメージを強調した上級グレードになるもよう。