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ガソリン仕様車が搭載するエンジンは、2.7Lの2TR-FE型。最高出力は163ps、最大トルクは25.1kg・mと、車重を考えると決して十分とはいえない。なにせ2.8Lのディーゼル車は、後期型になって177psから204psへと大幅に出力が引き上げられたほどなのだ。
そんなプラドのガソリン仕様を、どんな状況下でもストレスなく走れるグランドツーリングSUVへと仕上げようと動き出したのがお馴染みのブリッツだ。そのポテンシャルを底上げするべく、まずはスーパーチャージャーキットからリリースを開始した。
「実は海外ディーラーからの要望も多く、現地では弊社のハイエース用スーチャーキットを加工流用している事例もあるほど。そうした背景もあり、まずはプラド用キットから開発に乗り出しました」とブリッツの森田さん。
ノーマルから35.6psアップを達成しているという。となると気になるそのフィーリングを探るべく、高速道路へと駆り出すことにした。
低回転域からパワフルで高速の追い越しもラク!
今回、目指したのはアクティビティスポットとして有名な某河川敷。ブリッツから往復100km近くの道中で、スーパーチャージャー仕様のプラドの実力を診断する。
まず乗り出しから驚いたのは、過給器を後付けしたとは思えない自然な加速感。クランク回転を2次利用して圧縮空気を送り込むスーチャーは、低・中速域からフラットにトルクが立ち上がる。だから街乗りでもギクシャクすることなく普通に扱えるのだ。
そんなフィーリングに感心しながら、調布ICから高速へと入る。合流時にアクセルを多めに踏み込んでみると独特のメカニカルノイズを奏でながら、車速がグングンと伸びていくではないか。
このあたりのサウンドは好き嫌いが分かれる所だろうが、筆者的には好印象。特別な1台であることを実感できるからだ。いかにも空気を沢山、送り込んでいそうなサウンドがやる気にさせる。
もちろん追い越しがスムーズになるのも大きなメリットだ。低速域からしっかりと過給圧が掛かるため、クルマが軽く感じられるほどだ。これは悪路を走る際も大きな武器になるに違いない。
今回の試乗を通じて、プラドはこれくらいのエンジン性能が与えられるべき車格ではないかと再認識させられた。ランドクルーザーの名を冠しているからには、やはり〝力強さ〟が欲しい。
その点、オリジナルのごとく自然に、パワフルな加速が味わえるブリッツのスーパーチャージャーキットは、プラドユーザーの不満をみごとに解消する逸品パーツだと断言できる。ECUチューンすら不要のオールインワンキットで、価格は46万8000円。その費用対効果を考えれば、決して高い買い物ではないことも分かるはずだ。
ルーツ式コンプレッサーを採用した専用スーパーチャージャーキット。特殊コートを施した中空ローターにより鋭い吹け上がりを実現した。専用の燃料コントローラーも付属しECUセッティングも不要。ボルトオン装着できる。装着により、ガソリンはハイオク仕様となる。
DRIVING with 石川大輔
【PARTS SPECIFICATION】
■適合:ランドクルーザープラド(TRJ150W)
■対応エンジン:2TR-FE
■価格:46万8000円
問:ブリッツサポートセンター 0422-60-2277
https://www.blitz.co.jp
スタイルワゴン2020年11月号より
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