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一昔前の純正エアロといえば、大人しめのデザインが常。カスタム指向の強いオーナーにとってはモノ足りなさもあった。しかし、ここ数年のモデリスタやGRパーツ(旧TRD)は、そうした守りの姿勢から、一転して攻めの姿勢へとシフトしたかのように見える。そして、その戦略は間違いなく成功を収めている。なにせ、いまやモデリスタやGRパーツ用をカスタマイズする専用パーツまで登場しているほどなのだ。
成功の理由のひとつに、コンセプトの明確化が挙げられる。新型ハリアー用のエアロとして、モデリスタは近未来を感じらせるデザインをテーマにした「GRАN BLАZE STYLE(グランブレイズスタイル)」と、煌めきに溢れるプレミアムスタイルを目指した「AVАNT EMOTIONАL STYLE(アヴァンエモーショナルスタイル)」を展開。
さらにスポーティなGRパーツも加えると計3タイプのエアロスタイルを用意する。それぞれのデザイナーが意見交換をしながら、テーマに沿ったスタイルに導くべく、まい進しているのだ。
それを具現化するアプローチについても、並々ならぬものがある。例えば「AVАNT EMOTIONАL STYLE」では先進性を高めるべく、リップスポイラーの両サイドに乳白色のLEDを埋め込み、さらにブルーに着色したメタル調のアクセントを加えた。
当然、パーツの構成点数は増えるが、先進性を高めるためには妥協はしなかった。その甲斐もあって、かつてない立体感を演出することに成功している。
また躍動感に溢れるフォルムが印象的な「GRАN BLАZE STYLE 」は、高級感を高めるべくメッキを多用するが、これも緻密な計算の元で成り立っている。それを後押しするのが最先端の3Dソフトウェア。造形のみならずメッキの写り込みまで検証することで、どれくらいの角度なら美しく煌めくかなどを導き出しているのだ。
まさに驚きのこだわりようだが、GRパーツも負けてはいない。例えばサイドステップの裏側にはフタをすることで、フロア下の空気がスムーズに横から抜けるように設計。さらにディフューザーはマフラーのタイコと繋がるような形状とし、積極的に空気を抜くことで、ボディの浮き上がりを予防している。
このように見えない所まで妥協なく作り込む。カスタマイズシーンの一歩先をいくモデリスタとGRパーツのエアロが絶大な支持を集めるのには、確かな理由があるのだ。
GR ディスチャージテープ
スタイルワゴン2020年10月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]