ランサーエボリューションはどんな車?特徴やグレード、中古車価格を解説
ラリーの世界でその名を馳せ、世界中での注目を集めた三菱「ランサーエボリューション」。2015年に生産終了したモデルではありますがスポーツセダンの最高峰との呼び声も高く、今でも惜しむ声は多く聞かれます。
ランサーエボリューションの特徴や歴代のモデルとともに、中古車市場での相場をご紹介します。
- ランサーエボリューションは、ラリー向けに開発されたモデル
- ランサーエボリューションには、多くのモデルがある
- ランサーエボリューションは、中古車市場でも人気が高い
ランサーエボリューションでポイントとなる特徴3つ
ランサーエボリューションは、かつてラリーカーとして高い評価を得ていたスポーツセダンであり、当時の三菱の最先端の技術が惜しげもなく詰め込まれているモデルです。
ランサーエボリューションの特徴を3つのポイントに分けてご紹介します。
特徴1:力強い走りが魅力のラリー向け車両
ランサーエボリューションは、元々は世界ラリー選手権(WRC)において、WRCホモロゲーション取得を目出して開発されたモデルです。
初代は同社のコンパクトサイズのセダンであるランサーに社格が上のモデルに採用していたハイパワーエンジンや4WDシステムを組み合わせています。
基本的にラリー向けの車両であることから最終世代を除きカタログモデルではなく、限定生産となるためある程度流通数は限られており、人気の世代や特別仕様車などプレミア価格で取引されるものも多くあります。
特徴2:ラリーでは、多くのタイトルを獲得
ランサーエボリューションがWRCで残した輝かしい戦績も、見逃せません。
黄金期といえる第二世代(エボIV~VI)は、WRCをはじめとするさまざまなラリーで好成績を上げ、世界的に熱狂的なファンを生み出しました。
1996年にエボIIIを操ったのは当時のワークスドライバーのトミ・マキネン。マキネンは96年シーズンに全9戦中5勝を上げ、WRCドライバーズ・タイトルを獲得して強さを見せつけました。
エボIVを投入した1997年シーズンもマキネンはタイトル連覇、1998年、1999年も防衛し史上初の4連覇を成し遂げます。さらに1998年シーズンにおいてはマニュファクチャラーズ・タイトルも獲得。
絶頂期のランサーエボリューションは、怖いものなしといえるまでの速さを誇りました。
当時はランサーエボリューションとスバル「インプレッサWRX」がしのぎを削っており、ランサーエボリューションだけではなく、日本のラリーモデルが輝いていた時代といえるでしょう。
特徴3:モデルごとの違いが大きい
ランサーエボリューションは、歴代モデルそれぞれスペックが異なることに加え、内外装のデザインも異なります。
エボI~エボXまで、好みのランサーエボリューションを探す楽しみがあるのもランサーエボリューションの特徴のひとつといるでしょう。
生産が終了してモデルが出そろった今だからこそ、自身にとって最適なスペック、好きなデザインのランサーエボリューションが選べます。
ランサーエボリューションのモデルはこれ
ランサーエボリューションの歴代モデルを見てみましょう。
第4世代(2007~2015年モデル)
この世代はエボXと呼ばれており、これまで期間限定や台数限定で販売されてきたランサーエボリューションが初めてカタログモデルとなった世代です。
2008年~2012年まで毎年マイナーチェンジが実施されており、カタログもモデルなっても進化を続けています。2008年のマイナーチェンジでは出力は300psまで向上しました。
2015年には有終の美を飾る集大成モデル「ファイナルエディション」が1,000台限定で販売、2016年4月にランサーエボリューションの歴史は潰えることになります。
第3世代(2001~2005年モデル)
ランサーの世代交代に従ってエボも新世代に切り替わり、第3世代へ。2001年のエボVIIは曲げ剛性を大幅に向上、さらにアクティブ・センター・ディファレンシャル (ACD) の新規採用しています。
エボVIIIはAYCの性能をさらに向上させたスーパーAYCを新採用、さらに盗難が増加傾向にあったためこのモデルからイモビライザーが標準装備されます
第2世代(1996~1999年モデル)
ベースモデルであるランサーがフルモデルチェンジしたことから、ランサーエボリューションも2代目に移行しました。
1996年のエボIVは、アクティブ・ヨー・コントロール (AYC)の搭載が最大のトピック。またエンジン出力は当時の自主規制上限の280psまで上げています。
エボVは1998年にデビュー、3ナンバーへとボディサイズが拡大しました。サーキットでの好成績を多く残したモデルでもあります。
第2世代最終モデルであるVIは外観を大きく変更、アグレッシブさを増したデザインが特徴です。このエボIVをベースとし、トミ・マキネンの4年連続ドライバーズ・チャンピオン獲得を記念した特別仕様車も登場しました。
第1世代(1992~1995年モデル)
シリーズ初代モデルであるエボIは1992年に登場。当時は日本でも販売されていたコンパクトセダンのランサーをベースに、E39A型ギャランVR-4の4G63型ターボエンジンと4WDを搭載したモデルです。
1994年登場のエボIIは入念な走行テストを繰り返して先代の課題であった足回りを一新。ボディ剛性も向上に走行し走行性能は大幅に向上しました。
翌年にはエボIIへと進化し空力性能、冷却性能向上を目的に開発。派手なエクステリアであり今でもに人気があります。
ランサーエボリューションの市場価格
ランサーエボリューションは人気が高いモデルであるため、相場は比較的高めです。
第1世代:230~300万円程度
第2世代:200~500万円程度
第3世代:200~600万円程度
第4世代:200~600万円程度
ファイナルエディションは600~1,000万円程度
※2024年5月29日時点の相場
ランサーエボリューションは、現代ではレアなモデル
モビリティ業界の動きは激しく、今は100年に一度の変革期といわれています。
各メーカーがラリーやF1などのモータースポーツから撤退しており、さらに排ガス規制などの関係から、今後かつてのランサーエボリューションのようなモデルはもう登場しない可能性は大きいでしょう。
車好き垂涎のモデルであるランサーエボリューション。歴史なども含めてほかでは代えられない魅力を持つ1台です。
※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています