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ファイナンシャルプランナーの伊藤です。車の税金は初期費用にも維持費にも関係するので、車選びの段階で理解しておくのがベストです。わかりやすくご説明します。
車を所持すると、下記の税金が発生します。
税金の種類 | 概要 | いつ支払うか |
---|---|---|
環境性能割 | 車の環境性能によって税額が決まる | 購入時 |
自動車税(種別割) | 毎年4月1日時点の所有者に納税義務がある | 購入時・毎年5月もしくは6月 |
自動車重量税 | 車の重量ごとに税額が異なる | 購入時・車検時 |
消費税 | 車を含むモノやサービスの購入時に発生 | 購入時 |
環境性能割は、かつての「自動車取得税」に代わって導入された税金です。車の購入時に支払うもので、車両の取得価額×税率が環境性能割の税額です。
環境負荷の少ない車ほど安くなるようになっていて、税率は自家用乗用車で0~3%のいずれかとなります。新車だけではなく中古車の購入時にもかかる税金ですが、車の取得価額が50万円以下の場合は課税されません。
自動車税(種別割)は、毎年4月1日の時点での車の所有者に納税義務が発生する税金です。普通車の場合は車の排気量に応じて税額が変わり、排気量が大きくなるほど税額は高くなります。軽自動車は排気量が660cc以下に規制されているため、税額が一律です。
納税時期は毎年5月末まで(一部地域では6月末)で、登録時期によって税額が異なります。
以下の表は、自動車税(種別割)の税額をまとめたものです。
自家用乗用車(普通車)の自動車税(種別割)
総排気量 | 2019年9月30日以前に 初回新規登録した車両 | 2019年10月1日以降に 初回新規登録した車両 |
---|---|---|
1.0L以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1.0L超~1.5L以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1.5L超~2.0L以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2.0L超~2.5L以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2.5L超~3.0L以下 | 51,000円 | 50,000円 |
3.0L超~3.5L以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3.5L超~4.0L以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4.0L超~4.5L以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4.5L超~6.0L以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6.0L超~ | 111,000円 | 110,000円 |
軽自動車税(種別割)
車の種別 | 2015年3月31日以前に 初回新規登録した車両 | 2015年4月1日以降に 初回新規登録した車両 |
---|---|---|
軽自動車 | 10,800円 | 10,800円 |
※自家用乗用車、自家用乗用軽自動車ともにグリーン化特例の適用を受けない税額
自動車重量税は、車検時に車検の有効期間分をまとめて納税するのが一般的で、車両重量に応じて税額が異なり、重たくなるほど高くなります。
初回登録からの経過年数が13年超で税額が上がり、18年を超すとさらに重課されるため13年、18年を区切りに乗換えを検討する、という声も多くあります。
以下に、乗用車と検査対象軽自動車の継続検査時の自動車重量税額をまとめました。
一定の燃費基準を達成しているエコカーは、エコカー減税によって税金の減免が受けられることがあります。
2年自家用 | |||||
エコカー | エコカー (本則税率) | エコカー以外 | |||
免税 | 13年未満 | 13年超 | 18年超 | ||
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 | |
0.5t以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 | |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3.0t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
消費税は車を含め、商品やサービスを購入するときにその都度支払う税金です。2024年1月時点では、車は10%の税率が適用されます。
なお、福祉車両の場合、消費税は免除されます。
車の購入時には、以下の4種類の税金すべてを支払います。
自動車税(種別割)は、年度途中に車を購入した場合は、登録月の翌月から翌年3月末までで月割りして納付します。軽自動車は月割り制度がなく、年度途中で購入した場合は翌年度まで課税されません。
車検時に必要になる税金は自動車重量税のみです。ただし、車検時には法定費用として、自動車重量税のほかに自賠責保険料、検査手数料(印紙代)が必要であり、この法定費用は車検代行業者を通さず自分で車検場に車を持ち込んで検査するユーザー車検であっても省くことはできません。
車検代行業者に依頼する場合には、法定費用のほかに車検基本料、部品交換費用などもかかり、高額になりがちです。
では、具体的にどの程度の税金になるのか、軽自動車のホンダ「N BOX」、コンパクトSUVのトヨタ「ヤリスクロス」、ファミリー向けミニバンの日産「セレナ」で比較してみましょう。
なお、購入時の消費税は追加するオプションなどによって変わるので、ここでは含めていません。
軽自動車は元々の税額の設定が安いことに加え、N BOXの該当グレードはエコカー減税によって自動車重量税が25%軽減されるので、このようになります。
ベースグレード 2WD(2024年2月登録の前提) | 購入時 | 継続車検時 |
軽自動車税(種別割)0円 環境性能割:13,400円 自動車重量税:5,600円 | 自動車重量税:5,000円 (本則税率) | |
合計 | 19,000円 | 5,000円 |
継続車検時の自動車重量税も安く抑えられるのはかなりのメリットといえるでしょう。
燃費性能が高いハイブリッド車の場合、普通車でも、購入時の税金は軽自動車よりも安くなります。
ハイブリッド「X」2WD (2024年2月登録の前提) | 購入時 | 継続車検時 |
自動車税(種別割)2,500円 環境性能割:0円 自動車重量税:0円 | 自動車重量税: 初回継続検査のみ0円 以降の継続検査15,000円 (本則税率) | |
合計 | 2,500円 | 初回継続検査:0円 以降の継続検査:15,000円 |
車両本体価格が高額になりがちなハイブリッド車ではありますが、税金の減免に加え、燃料費も抑えられることを考えると必ずしも「高い」とはいえないかもしれません。
なお、ガソリン車の「X」2WDの場合、購入時の税金は合計で80,000円を超えるので、税額はパワーユニットによってかなりの差があるといえます。
ファミリー向けのミニバンにもなると、ガソリン車であれば購入時の税金は10万円を超えてきます。
「X」2WD (2024年1月登録の前提) | 購入時 | 継続車検時 |
自動車税(種別割)6,000円 環境性能割:67,900円 自動車重量税:49,200円 | 自動車重量税:32,800円 | |
合計 | 12万3,100円 | 32,800円 |
同じグレードでもハイブリッド車である「e-POWER」を選択した場合は環境性能割、自動車重量税ともに免税になるので、初期費用はかなり抑えられます。
毎年納税義務がある自動車税(種別割)は、滞納するとさまざまな問題が発生します。
自動車税(種別割)を定められた納付期限内に納付しない場合、延滞金が発生します。延滞金の割合は年度によって異なりますが、2024年の場合は納付期限の翌日から1ヵ月を経過するまでは年2.4%、納付期限の翌日から1ヵ月を経過した日以降は年8.7%です。
納付期限が過ぎても自動車税(種別割)が納付されない場合は、督促状が届きます。督促状を無視して滞納を続けた場合、最終的には預金口座や給与口座、財産が差し押さえられることもあります。
自動車税(種別割)を完納していない場合、車検が受けられません。車検が切れると公道走行ができなくなるので、その車は実質使用不可になり、車を仕事に使用する方や、生活に車が欠かせない地域に住む方はかなり困ったことになるでしょう。
なお、かつて車検時には紙の納税証明書が必要でしたが、今では電子確認が必要なので原則としては紙の証明書は不要になりました。ただし、納税結果がシステムに反映されるまで時間がかかるので、車検を受ける直前に納税する場合は納付書を使用しての現金納付など、納付証明書が手元に残る形で納税することをおすすめします。
自動車税(種別割)に限ったことではありませんが、税金の滞納が信用情報に影響を与えることはありません。社会保険料、公共料金なども同様です。
そのため、クレジットカードの発行やローンの利用に伴う審査に影響することは原則ありません。
しかし、個人事業主の方は要注意です。
個人事業主の方が住宅ローンやカーローンを利用する際は、納税証明書の提出が求められます。完納していないと納税証明書が発行されないので、必要書類がそろわず審査申込みができない、審査に悪影響を与えるといった可能性もあります。
何らかの事情で自動車税(種別割)が支払えない場合は、税務署に相談してみましょう。正当な理由があると認められれば分割納付に応じてもらえる場合があります。また、今ではクレジットカードでの納付が可能な自治体も多いので、クレジットカードの分割払いを利用するのもひとつの方法です。
車の税金は決して安いものではありません。できるだけ車の税金を安く抑える方法をご紹介します。
車の購入時には、車両本体価格のほかに車両登録のための費用が必要です。登録に必要な諸費用の金額は車によって異なりますが、車両本体価格の10~20%程度が一般的なので、軽自動車であっても10万円程度、普通車なら数十万円するケースもあります。
諸費用にはリサイクル料金や各種代行手数料、そして自動車重量税や自動車税(種別割)、環境性能割などの法定費用が含まれます。
法定費用は省くことはできませんが、今ではエコカー減税やグリーン化特例といった、環境性能や燃費性能が一定の基準を達成している車は性能に応じて各種税金が減免される制度があります。環境に優しい車を選ぶことによって、購入時の法定費用を安く抑えることが可能になります。
自動車税(種別割)は金額が大きいうえに、毎年発生します。自動車税(種別割)を安くしたいなら、排気量が小さい車を選ぶのもひとつの方法です。
今ではエンジン技術が向上しており、排気量が小さくても十分な加速性能が得られる車も多くあります。また、排気量を小さくしターボチャージャーを搭載してパワーを補うダウンサイジングターボエンジンを採用するモデルも増えているので、「排気量の大きさ=パワー」とは限りません。
また、普通車にこだわりがない、最大でも4人しか乗らない、というのであれば、税額が安い軽自動車を選ぶのもおすすめです。
電気自動車、ハイブリッド車などのエコカーを除き、新規登録から13年が経過した車はグリーン化特例による重課の対象になり、税額が上がります。普通車で概ね15%、軽自動車で概ね20%、自動車税(種別割)もしくは軽自動車税(種別割)が高くなります。
また、自動車重量税は13年経過で重課され、その後18年経過でさらなる重課があるので、古い車はかなり税額が高くなり維持費の負担が重くなるのです。
そのため、税金が高くなる登録から13年経過をひとつの目安に、車の乗換えを検討するのもいいのではないでしょうか。
税金の支払いに不安があるなら、月々定額の支払いで好きな車に乗れるカーリース(車のサブスク)を利用するのも一つの方法です。カーリースの月額料金には登録諸費用や自動車税(種別割)、環境性能割、自動車重量税、自賠責保険料が含まれています。つまり、別途税金を支払う必要がなく、いつ・いくらの税金の支払いがあるのかを気にしないで済みます。
古い車は税金が高くなることに加え、メンテナンスの頻度が増え維持費が高額になりがちです。また、燃費性能も落ちてくるので、高年式の車よりも燃料費がかさむケースも少なくありません。
車の税金に関してよくある質問とその回答をまとめました。
種類によって支払う時期が異なります。
購入時には環境性能割、自動車税(種別割)、自動車重量税と、消費税がかかります。また、毎年5月(一部地域では6月)には自動車税(種別割)、車検時には自動車重量税も納税しなければなりません。
自動車税(種別割)は、車の排気量や登録時期によって税額が異なります。
2019年10月1日以降に新規登録した自家用乗用車であれば、最も安い区分の排気量1.0L以下で25,000円です。1.0L超~1.5Lになると30,500円、1.5L超~2.0Lで36,000円です。
軽自動車の場合は10,800円で、排気量による税額の差はありません。
自動車税(種別割)は毎年4月1日時点での車の所有者に課せられるので、毎年1回支払う必要があります。自動車重量税は車検時に支払うため、自家用乗用車の場合は新規登録から3年後、その後は2年ごとに支払いが発生します。環境性能割と消費税は購入時のみで、以降の支払いはありません。
自動車税(種別割)の納税通知書は、一部地域を除き毎年4月末~5月上旬にかけて発送され、5月半ばには届くのが一般的です。青森県、秋田県では6月初旬に納税通知書が発送され、6月半ばの到着になります。納付期限は青森県と秋田県を除く地域は5月末日、青森県と秋田県は6月末日です。
2015年4月1日以降に初回新規登録した車両の軽自動車税(種別割)の税額は10,800円です。しかし、新規登録から13年経過すると環境負荷が大きくなるという前提から重課税率が適用となり、12,900円になります。
ただし、電気自動車やハイブリッド車などのエコカーについては、重課はありません。
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※この記事は2024年1月時点の情報で制作しています