千葉と関西を直通移動できる夜行バス・サンアンドムーン号

シダックスルグループ 大新東の運行するサンアンドムーン号は、高速バスとして初めて千葉・房総~関西の直通路線を運行した夜行バス。2023年7月には津田沼・東京~関西(大阪・滋賀)路線も登場し、より便利になりました。ただし、これまではすべて4列シートの夜行バスです。

乗車記はコチラ

今回乗車してきたのは、2023年12月に新登場した3列独立シート・トイレ付きの夜行バス「サンアンドムーン号」! 関東(津田沼・東京・町田)~関西(京都・大阪)を直通で結びます。

4列シート車両は白を基調にブルーの文字ですが、3列独立シート車両は、きれいなブルー基調。車体側面には、サンアンドムーン号のロゴが入っています。

3列シート車両の外観
4列シート車両の外観

ところで余談ですが、実は私はサンアンドムーン号の乗車は2回目でした。初回乗車の際に「ポ●モンのサンアンドムーンと関係あるかと思った……」なんて言ってたら(※もちろんバスとポ●モンは何も関係ありません)、バスを運行している大新東さんに、名称の由来を教えていただけました!

バス名称の由来は……

「シダックスグループ入りする前の大新東株式会社のロゴマークが、太陽と月をイメージしたマークだったことから、高速バスを開始したときのバス名称も『サンアンドムーン』となった次第です」

とのことです!

大新東の旧ロゴ ※提供:大新東
バス側面の「サンアンドムーンバス」のロゴ

大新東の歴史の残る名前! 高速バスへの愛情と本気度が伺えますね。

ではでは、そんなサンアンドムーン号について。まずは車内の様子からご紹介します。


車内は3列独立シートで全28席 トイレ・カーテン付き

座席シートは横3列×縦10列、最後列のみ横4列。トイレ分を差し引いて全部で28席です。全席カーテン付き、中央列にも専用カーテンがありますよ。

車内のシートの様子。全席に専用カーテンがある!

座席リクライニングはかなり深め! その上にフットレスト・レッグレストがしっかり足元も持ち上げてくれるため、体感ではだいぶがっちり横たわれます。これはめちゃくちゃ眠れそう……!

通常状態の座席シート
リクライニング・フットレスト・レッグレストをフル活用するとここまで倒れる

リクライニングだけでなく、シート周りにもくつろげる仕掛けや設備がたくさん。ドリンクホルダーは前座席が傾いても倒れてこない足元に設置され、無料サービスのミネラルウォーターが最初からスタンバイされています。

USBポートは1人1つ。前座席の背面には、フットレストの裏を含めて前ポケットが3つ、荷物掛けフックも2つ。読書灯も手を伸ばせばすぐに届く前面に配置。さらに座席のヘッドレストは、上下位置が調節可能。す、すごい!

ドリンクホルダーには最初からミネラルウォーターがサービス
USBポートや小さな荷物のための編みポケットも使いやすい
前座席背面には荷物掛けがふたつ、イヤフォン用のポケットと読書灯も
ヘッドレストは上下位置の調節OK

さらに驚いたのが、座席脇のスイッチ。夜行バスでは見かけない設備だけど、これは何だろう……と説明図を見てみたところ。なんと、シート座面のヒーターのスイッチでした!

もちろん、早速付けましたとも! 低温やけどの心配もない、ほんわりとした温かみでした。わー、これはリラックスできる!

前座席背面に座席設備の説明図が
座面ヒーターのスイッチはここ!

トイレは車内中央にあり、階段を下りていく形です。トイレ前の足元には小さなゴミ箱もありました。大きなゴミは持ち帰る必要がありますが、小さなゴミなら気軽に捨てられるのは嬉しいですね。

車内中央のトイレ。トイレ前に小さなゴミ箱も

車内はフリーWi-Fiが利用OK。パスワード要らずでサクっと繋がります。座席ごとに説明書が置いてあるので、手元で確認できるのも便利。

フリーWi-Fi。説明書は座席ごとに


千葉・津田沼駅の「JR津田沼駅南口 習志野文化ホール前」バス停から乗車

サンアンドムーン号の発着地は津田沼駅前~東京駅 鍛冶橋駐車場~町田ターミナルプラザ~京都駅~なんばOCAT~USJ(関西行きのみ)。最長で約9時間40分です。

今回の私の乗車予定は、関東側の始発バス停である「JR津田沼駅南口 習志野文化ホール前」から「京都駅」まで。千葉県から京都府までのバス旅となりました。

JR津田沼駅 南口
「JR津田沼駅南口 習志野文化ホール前」バス停

「JR津田沼駅南口 習志野文化ホール前」は、初めて訪れるバス停。念のために発車時間よりちょっと早めに訪れたところ……さ、寒い!

今回の取材時期は、12月末の年末ギリギリ。ちょっと夜の寒さを甘くみていて後悔しました。冬の夜行バスはやっぱり、乗車前の寒さ対策が必須ですね。

身を縮めてバスを待つこと暫し。サンアンドムーン号がバス停へ到着したのは、出発の約10分前でした。来てくれてものすごくほっとしたのは、言うまでもありません。

定刻の約10分前、サンアンドムーン号が到着!

本日の予約は満席とのことですが、津田沼からの乗車は私を含めて2人だけでした。どうやら東京駅から混む様子です。

乗務員さんに座席を指定してもらってバスに乗車すると、名前と座席の一覧がわかりやすく貼られていましたよ。


SA/PAのトイレ休憩は3回

乗車して座席に座り、シートベルトを締めてから、まずは座席ヒーターのスイッチを入れました! じんわりした温かさで、体が癒されます~。

その間に、バス車内には案内のアナウンスが。この後に東京駅・町田駅のバス停で乗客を乗せる旨を告げ、詳しいアナウンスは町田を出てからとのこと。東京駅・町田駅の両バス停へ到着したのはそれぞれ定刻の約10分前でした。道路の読みにくい年末時期でも時間に正確な走行、すごい!

町田を出て乗客が全員そろったところで、今回の走行スケジュールや車内案内、休憩予定の説明がありました。それによると、休憩は3回とる予定とのことです。

町田駅を出たのが24:10。その後最初の休憩場所となる神奈川県の中井PAへの到着は、24:47頃でした。アナウンスはなく、バスが停車し、前方カーテンが開くのが休憩の合図です。

最初の休憩地、中井PAへ到着!

到着が24:47頃で、出発予定は25:00。約10分強の休憩です。バス前には出発時間を示すボードが置かれ、バスを出るときには迷子防止のカードを受け取りますよ。

バス前方に出発時間を示すボードが置かれる
迷子防止のカードには車両ナンバーが記載

休憩中、乗務員さんはバス入口で待機していてくれます。これは迷子防止のためにもありがたい!

休憩時間中は、乗務員さんが外で待機

バス車内にトイレが設置されているためか、休憩時間に外に出る人は数人程度でした。それに座席がめちゃくちゃリラックスできますしね! 最初の休憩地に着くときにはまだ完全消灯していなかったにもかかわらず、客席では早々に寝息が聞こえていました。

最初の休憩地を出たら、バス車内はようやく完全消灯。2回目休憩は静岡県の遠州森町PA、3回目は滋賀県の甲南PA予定とのこと。ですが私も睡魔とリラックス感に抗えず、いつの間にか眠っていましたよ。


6:10 京都駅へ到着

「おはようございます。まもなく最初の停車地、京都駅へ到着いたします……」のアナウンスが流れたのは、6:02頃。合わせて車内も点灯しました。

もう降りる時間か……まだ眠いもう少し乗りたい……大阪降車にしとけば良かったああ……と寝ぼけ頭で後悔しつつ、降車の準備。他にも京都で降りる方が多いようで、周囲の人も同じように降車準備を始めた気配がしました。

6:10、京都駅八条口に到着! 年末時期は日の出が遅いこともあって、京都駅はまだまっくらでした。乗務員さん、ありがとうございました!

6:10、京都駅八条口アバンティビル前へ到着!
冬の6:10、外はまだ真っ暗

3列独立シートのサンアンドムーン号は、快適さレベルがかなり高いバス。ほぼ同じルートを10分遅れで4列シート車両でも走っているので、3列独立シート車両はより快適さに力を入れているのかもしれません。

しかしそれなら4列シートが価格重視・3列独立シートが快適さ重視かなと考えがちですが、この3列独立シートの千葉~関西のバス旅はなんと5,000円~。これ、びっくりのお得さではないでしょうか? (料金は2024年1月調べ)

何より嬉しいのが、座席のヒーターシステムとミネラルウォーターのサービス! 暖かくて、飲み物もあって、それにトイレも車内にあるときたら、これはもうくつろぎ一択しかないですよね。

どうぞ皆さまもサンアンドムーン号で、快適なバス旅を楽しんでくださいね。

サンアンドムーン号3列シートのバス便

※取材協力:大新東

(陽月よつか)

情報提供元: バスとりっぷ
記事名:「 ヒーター付きシートが快適すぎる夜行バス! 千葉・東京~関西を結ぶ3列独立シート・トイレ付きサンアンドムーン号でリラックス旅