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太陽の最も近くに位置する水星は観測が難しい惑星ですが、1月12日に「西方最大離角」を迎え、日の出前の南東の低空で見つけやすくなります。太陽からの見かけの角度が最も離れるこの時期は観測のチャンスです。
水星の右上にはひときわ明るく輝く明けの明星・金星が位置しています。9日と10日には細い月も姿を見せ、美しい光景となるでしょう。水星よりもさらに低い空には火星もあり、年明けの日の出前の空に3つの惑星と月が集合します。
3月下旬から4月には4等台まで明るくなり、肉眼での観測が期待されている「ポン・ブルックス彗星」。1812年にフランスの天文学者ジャン=ルイ・ポンによって発見されました。その後、1883年にアメリカの天文学者ウィリアム・ロバート ブルックスによって再発見され、後に同一の天体であることが確認されました。
約70年ごとに太陽に接近し、今回の回帰では4月21日に太陽に最接近すると予測されています。夕方の西の低空で、尾をひく姿を観測できる可能性があります。
12日23時頃に、ペルセウス座流星群が極大になります。見頃の予測は12日深夜から13日未明にかけて。条件の良い暗い空の場合、1時間に40個程度の流星を観測できるでしょう。夜半前に月が沈むため、月明かりの影響もなく好条件です。
ペルセウス座流星群は、地球大気に衝突する速度が速いために明るい流星が多く見られます。途中で増光したり、緑、オレンジ、青などのカラフルな流星が出現することも。夏の夜空を彩る美しい流れ星を楽しみましょう。
中国の紫金山天文台と小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS、アトラス)によって、2023年1月に発見された「紫金山・アトラス彗星」。二度と回帰しないとみられる、双曲線軌道をもつ彗星です。
9月28日に太陽に最接近するため、8月(日本では9月下旬)には肉眼で見えるようになると予測されています。9月から10月中旬には約0等、最大でマイナス5等近くまで明るくなる場合も。9月の観測時間は早朝の東の空、10月初旬を過ぎる頃には日没後の西の空に尾をひく姿が見えると期待されています。
最も地球に近い天体である月は、地球の周りを公転する間に多くの天体の前を通り過ぎます。月が運行する時に天体を隠す現象を星食 (せいしょく)、または月による掩蔽 (えんぺい)と呼びます。
12月8日の宵に、上弦前の月が約1.0等の土星を隠す「土星食」が見られます(関東地方全域と北海道から九州地方にかけての一部地域)。 14日明け方には、翌日が満月の月による「プレアデス(すばる)星団食」、25日未明には、月齢23.9の月がおとめ座の一等星を隠す「スピカ食」がおこります(ともに、北海道の一部と東北地方より南の地域)。
星食を見る時は、双眼鏡や望遠鏡を使用するのがおすすめです。天体が月の後ろに入る「潜入」と、再び出てくる「出現」の瞬間を観測してみましょう。
ふたつの彗星の出現や好条件となるペルセウス座流星群、一年を締め括る12月におこる3回の星食など、見逃せない天体ショーが繰り広げられる2024年。一期一会の星空を楽しみましょう。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2024』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報2024」