- 週間ランキング
11月3日に「衝(しょう)」を迎えた木星。衝とは、太陽系の天体が地球から見て太陽と正反対の位置にくる瞬間のこと。衝の頃は、最も地球に近付いて明るく見える時になります。また、この時期の木星は太陽が沈む頃に東の空から昇り、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中観測することができます。
観測しやすい状態が続くのは2024年3月頃まで。4月中旬以降は太陽に近付いて見えにくくなります。5月中旬には、地球から見て太陽と同じ方向に位置する「合(ごう)」を迎え、見えなくなります。木星が再び姿をあらわすのは6月下旬頃。明け方の東の空に、美しい姿を見せてくれます。
木星は、直径が地球の約11倍、質量は地球の約320倍ある太陽系最大の天体。主成分は水素やヘリウムといった気体で、「巨大ガス惑星」に分類されます。木星の表面はアンモニアやメタンなどで覆われており、オレンジや白の縞模様に見えるのは木星の厚い雲になります。
白く見える明るい部分(帯)は上昇気流でできた高い雲、暗い部分(縞)は下降気流による低い雲と考えられています。そのなかに見える大赤斑や白斑は、巨大な嵐の渦!特徴的な楕円形の大赤斑は、地球が2個並ぶほどの大きさがあります。
木星の自転速度は約10時間。太陽系の惑星のなかでも最速のスピードで自転しており、東西方向に強く風が流れます。そのため、この方向に雲が並び、鮮やかな縞模様となるのです。
澄みわたる夜空で繰り広げられる、明るい2つの天体の接近。冬の一等星も姿を見せ、華やかさが増した星空を楽しみましょう。
【11月25日】月齢12の明るい月と木星が大接近
満月を2日後に控えた丸い月が、薄明の東空で輝いています。夕闇に包まれる頃に輝き出す木星は、月のすぐ下に姿をあらわします。月と木星が最も接近して見えるのは、東京の場合は17時過ぎになります。2つの天体は夜半前には並んで天高く登り、夜明け前に沈んでいきます。
【12月22日】宵の空に並んで見える月と木星
日没が迫る頃、南東の空で月と木星が並んで輝いています。最も近付いて見えるのは、東京の場合は22時過ぎ。西南西の空で明るく輝く2つの天体を見上げてみましょう。その後、月と木星は徐々に離れていき、翌日の3時頃には沈んでいきます。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
アストロアーツ「2023年~2024年 木星」
国立天文台「ほしぞら情報2023」