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天球上の太陽の通り道(黄道)を15度ずつ24等分して設けられた「二十四節気」。0度の春分を起点にした「太陽黄経」と呼ばれる角度は、90度の夏至、180度の秋分、270度の冬至を経て一周すると、一年間の四季が巡ります。春分・夏至・秋分・冬至は季節の中心をあらわし、「二至二分」と呼ばれています。
二至二分と並んで重視されてきたのが、四季のはじまりとなる「四立」です。太陽黄経315度が立春、45度が立夏、135度が立秋、そして225度が立冬になります。
季節の変化を知る目安とされてきた「二十四節気」は、太陽の運行を基準にして天文学的に決められているのです。
立冬を迎えると暦の上では冬になり、寒さに備える風習がありました。古より日本では、「亥の子の日」に暖房器具などを出す「こたつ開き」が行われていました。
亥(いのしし)は、陰陽五行節では「水」に当てはまることから、火を制すると考えられていました。そのため、「亥の月亥の日」から火を使い始めると火事にならないとされてきたのです。
「亥の子の日」とは、亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日のこと。2023年は11月1日(旧暦の場合は11月13日)になります。来年からは、こたつやストーブなどの暖房器具を出す場合は、目安のひとつにしてみてはいかがでしょうか。
二十四節気を約5日ごとの3つの期間(初候・次候・末候)に分けた「七十二侯」は、より細やかな自然の変化を伝えてくれます。立冬の間の移り変わりを辿ってみましょう。
【立冬の期間の七十二候】
◆初候(11月8日~11月12日)
「山茶始開(つばきはじめてひらく)」
読みは「つばき」ですが、同じツバキ科の常緑広葉樹である「山茶花(さざんか)」をあらわしています。冬枯れの風景に彩りを添える山茶花が咲きはじめる頃。
◆次候(11月13日~11月17日)
「地始凍(ちはじめてこおる)」
大気が冷え込み、大地も凍りはじめる頃。朝は霜が降り、夜の寒さが本格的になり、冬へと向かう季節の変化が感じられます。
◆末候(11月18日~11月21日)
「金盞香(きんせんかさく)」
水仙の花が咲きはじめ、香る頃。金盞は「金の盃(さかづき)」という意味で、水仙の花の黄色い副花冠と呼ばれる部分を金の盃に見立てた名称になります。
※日付は2023年の場合
・参考サイト
国立天文台「暦Wiki 七十二候」