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普段、月は太陽の光を反射することで光って見えていますが、月食は太陽・地球・月が一直線に並ぶときに月に地球の影が落ちることで、月の一部が欠けて見える現象です。
月食は、月の一部が欠けて見える部分食と、月全体が地球の影に入って月全体が暗く見える皆既食の2種類があります。皆既食はその前後で部分食も一緒に起こりますが、必ずしもこの2つの現象はセットではなく、部分食だけが起こることがあります。
更に、地球は太陽の周りを公転し、月も地球の周りを27.23日の周期で公転しているので、大体1ヶ月に1回は太陽・地球・月が一直線に並び月食が起こりそうなのですが、そうではありません。
実は、太陽と地球の位置関係から見て、月が地球を回る公転の軌道は約5度傾いています。一見、太陽・地球・月が一直線に並んでいそうに見えても、視点を変えてみてみると、一直線に並んでいないという事になります。そうなると、月食は起こりません。
地球の公転によって、太陽・地球・月の位置関係は刻々と変わっていきます。その中で時々それぞれが一直線に並ぶときに月食は起こるのです。この位置関係の変化によって、皆既食も起こるのか、部分食だけが起こるのかも変わってきます。
部分月食を見るためには道具は必要ありません。双眼鏡や望遠鏡があると月の細部まで見ることができてより楽しめますが、普段の月を見上げるように、特別な道具が無くても部分月食は十分に楽しめます。
今回の部分月食は、10月29日の朝4時半ごろに月食が始まり、5時14分ごろに最大に欠けて、6時頃に終了します。この日の東京の日の出が6時頃なので、まだ暗い中での観測となるでしょう。足元に気を付けて、事前に観測する場所を確認しておくとよいでしょう。
部分月食の終わりの頃には月の高度が低くなるので、西の空が開けた場所で見てください。明け方ぐっと冷え込むことがある時期なので、防寒対策も忘れずに楽しみましょう。
動画解説:工藤 佳奈子