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まずは暦について、簡単にお話しします。暦は主に3つ、太陽の動きをひと巡りで1年と捉える『太陽暦』と、月の満ち欠けを基準とした『太陰暦』、その両方の要素を取入れた『太陰太陽暦』があります。日本ではおよそ飛鳥時代から明治6年の改暦まで太陰太陽暦が使用されており、改暦後は太陽暦が使用されるようになりました。地域や事柄によっては、新しく導入された太陽暦ではなく、旧暦をもとにして行事などの日取りが決められているものも多くあるので、まだ私たちの生活の中でも引き継がれている感覚なのかもしれませんね。
旧暦では閏月を加えることで、暦と実際の季節を調整していましたが、自然を相手にする農業や漁などの役にはあまり立ちません。そこで暦の中に取り入れられたのが、季節を表す『二十四節気』です。これは、太陽が地球をひと回りする道筋を24等分したもの。例えば、「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などがありますが、これらの言葉は、みなさんにも馴染みがあるのではないでしょうか?これらも二十四節気に数えられます。1年を24等分すると、およそ15日。旧暦は月の満ち欠けから月日を、太陽の動きから季節を表す方式で、現在の暦でもその名残を見ることができるものも多いのではないでしょうか。
それぞれの季節には、6つの節気があります。「これから始まる」という気持ちの『夏』も、暦の上ではすでに始まっています。今回は夏の節気、6つをご紹介します。
☆立夏(りっか)☆
2023年は5月6日〜
春分と夏至のちょうど中間にあたります。暦の上では夏の始まり。おおよそゴールデンウィークの頃となります。日差しも強くなり、緑も青々と繁る時期です。ツツジが見頃を迎えるのもこの頃になります。
☆小満(しょうまん)☆
2023年は5月21日〜
太陽の光を浴びて、あらゆる命がすくすくと成長していく時期です。麦が熟して、黄金の穂を揺らし、まもなく収穫を迎える時期でもあります。元気に飛び回るてんとう虫を見かけたり、潮干狩りが楽しめる時期です。また、衣替えが行われるのもこの時期。本格的な夏へ向けての準備の時です。
☆芒種(ぼうしゅ)☆
2023年は6月6日〜
イネ科の植物の穂先にある細い毛のようなものを「芒(のぎ)」と言います。このような、イネなどの穂のなる植物のタネを蒔くのに適した時期です。生まれたての小さなカマキリを目にしたり、紫陽花に目を奪われたり、梅が黄色く熟す時期となっています。
☆夏至(げし)☆
2023年は6月21日〜
一年で最も日が長く、夜が短い日です。いつの間にかまた、冬に向かって折り返すことへ、大きな驚きを感じたりしますよね。梅雨本番といったところでしょうか。オクラや鮎などの夏の食べ物が美味しく楽しめる頃ですね。『夏越の祓』などの行事が神社で行われる時期です。
☆小暑(しょうしょ)☆
2023年は7月7日〜
いよいよ梅雨明け、夏本番がやってくる時期です。七夕や朝顔で、見た目にも清々しさを求める時期ですね。「暑気払い」として、涼を求める食べ物を食す習慣があったりします。小暑の終わり頃から夏の土用が始まります。
☆大暑(たいしょ)☆
2023年は7月23日〜
その名の通りに、暑さが厳しく感じられる時期で、いよいよ夏真っ盛りです。夏の土用も、小暑から続いています。「暑中お見舞い」は先の小暑とこの大暑の期間に。この後は「残暑お見舞い」となります。ニンニクや鰻などで「暑さに負けないように」と精をつけて、しっかり体調管理をして乗り越えたい時期でもあるのかもしれませんね。
ちなみに、2023年の夏の土用は7月20日から8月7日になります。
暦から、古くてちょっと新しい感覚を!
参考
国立天文台/令和 5年(2023) 暦要項
海上保安庁 海洋情報部/旧暦のあれこれ
洋泉社MOOK/入門 日本の旧暦と七十二侯