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住宅の修繕はついつい内装に目が行きがちですが、床下の湿気対策がとても大切。特に「台風などによる大雨・高波・高潮・河川の氾濫による浸水が発生しやすい地域」にある建物は床下の湿度があがりやすく、カビやシロアリの発生の原因になることがあるんですよね。
床下をのぞいてみた時に
・カビ臭い
・土が湿っている
・空気が淀んでいる
・木材が腐っている
・シロアリの痕跡(蟻道)がある
といった場合は、将来的に床が沈んだり建物が傾いたりする可能性があるので、床下の修繕とあわせて湿気対策をすることを強くおすすめします。上の写真のような和室の場合は畳を持ち上げて下地板をはずすと床下をのぞくことができますので試してみてください。
古民家などの古い家の場合、高い確率で床材として畳が利用されていると思います。継続して利用できそうであればそのままでもよいのですが、畳が痛んでいたり汚れていたりした場合は交換するか洋室に転換するのがおすすめです。加えて長く使われていない家屋の場合は床下の木材が腐ってしまい
・床が沈む
・床が抜ける
・床が傾く
など不具合がある場合も少なくありません。そんなときは一度床材をはいで床下から修繕をしましょう。畳であればバールやマイナスドライバーなどの先端を畳の隙間に差し込みテコの原理で持ち上げると上手く外すことが可能です。処分する場合は産業廃棄物業者に依頼をするか、最寄りのリサイクルセンターに持ち込むか、解体して庭の畑の肥料にしてしまうのもよいでしょう(処分費用は1000円〜2000円程度かかることが多いようです。処分方法は地域によって異なるため市区町村窓口へ問い合わせてみてください)。
畳の下の板を外すときは誤って古い釘を踏み抜かないように安全靴を履きましょう。筆者は一度誤って釘を踏んでしまったのですが、安全靴のおかげで無傷でした(釘が足の裏に刺さると、病院で傷口を切開して消毒する必要があります。非常に痛いので必ず安全靴を履いて注意して施工してください)。
床材をはいだ後は地面に防湿シートをしき、その上に調湿材をまくことで湿度が上がりにくい環境をつくるのがポイントです。加えて日本海側の雪が多い地域や、盆地などで冷気が溜まりやすい地域に住む場合は、断熱材を入れることをおすすめします(床下からの冷気があがってくると足元が冷えてとても寒いです・・・)。手順としては
・地面に防湿シートをしく
・調湿材をいれる
・断熱材をいれる
・床下から冷気があがらないように気密テープで隙間をふさぐ
・そのうえに合板を敷き床材を施工する
という手順になります。ホームセンターで一式揃えることができますし、施工方法はインターネットで検索するとメーカーの施工マニュアルを見ることができます。不安な人は地域の工務店さんや大工さんに相談料をお支払いしてアドバイスをもらうと、失敗が少なくすみます。
断熱材の施工が終わったら下地の合板を敷いてその上に床材を貼っていきます。床材には
・クッションフロア(幅広のシート状のもの)
・フロアタイル(タイル状のもの)
・フローリング(木質系のもの)
などがあります。低価格で仕上げたい場合はクッションフロアやフロアタイルがおすすめ。質感や温もりを優先したい人はフローリングを選択するのがよいでしょう。筆者はヒノキの無垢材のフローリングを選択しました。定期的にワックスを塗るなどメンテナンスが必要ですが、質感や匂いなど他の床材では体感できないので、予算に余裕があれば無垢材のフローリングをおすすめします。
田舎移住や古民家リノベーションにあこがれる人は少なくありませんが時間もお金もかかるのが現実です。今回は「床の修繕」についてお伝えしてきましたが、特に「台風などによる大雨・高波・高潮・河川の氾濫による浸水が発生しやすい地域」では
・床下の湿気を確認する
・古い床材をはぎ湿気対策をする
・調湿材と断熱材をいれる
・下地の合板と仕上げの床材を貼る
といった手順を踏んで床の修繕をするのが快適な生活を持続的に送るための大切なポイントになります。事故や怪我に気をつけながらコストをおさえてオリジナルの床をDIYしてみてはいかがでしょうか?