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10月上旬は南東から南の夜空が華やか。マイナス2.9等前後の明るさの木星、0.5等前後で穏やかに光る土星が目を引き、2つの惑星の間を下に辿ると秋の1等星フォーマルハウトも輝いています。
5日から9日にかけては、満月に向けて輝きを増す月の姿が見られます。月は5日と6日には土星に近付き、8日と9日には木星の近くに移動します。8日は旧歴9月13日にあたる「十三夜」。「後(のち)の月」と呼ばれ、日本ではこの夜もお月見をする習慣があります。今年の十三夜は、美しく輝く木星と月の共演を楽しみたいですね。
木星の左側に移動した月は、10日に満月となります。強い輝きを放つ木星と満月が並ぶ光景は、ひときわ目を引く眺めとなるでしょう。
水星が9日に西方最大離角となり、観測の好機を迎えます。地球から見て、内惑星(水星・金星)が太陽から西側にいちばん離れた時を「西方最大離角」、東側に離れた時を「東方最大離角」と呼びます。
6日からの1週間、水星は日の出30分前の高度が10度を超えます。水星の観察が可能なのは、日の出前か日の入り後のわずかな時間。最大離角の頃には、水星が見かけ上太陽から最も大きく離れるため、観察しやすい時期となります。
視界が開けている場所から、真東よりやや南寄りの低空を眺めてみましょう。水星の明るさは0.0等からマイナス0.8等。空がまだ暗いうちに観測を始めると、見つけやすいでしょう。
宵の頃、東の空から昇ってくる火星は、夜半前に明るさを増します。14日の夜には、マイナス0.8等の火星に月が近付きます。月の右側にはアルデバラン、その下に目を移すとベテルギウスが赤く輝いています。火星と赤い2つの星にも注目してみましょう。15日も月と火星の接近を楽しむことができます。火星の右上に見えていた月は、火星の左側に移動します。
12月1日に地球と最接近する火星。今後、ますます明るさを増していき、10月末にはマイナス1.2等の輝きになります。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報(2022年10月)」