人は寝ている間にコップ1杯分ほどの汗をかくといわれていますので、寝具を衛生的に保つためには、シーツや枕カバーをこまめに洗濯し、布団は定期的に天日干しするのが理想です。ただ、花粉シーズンに布団を外干しすると、室内に取り込むときに花粉まで持ち込んでしまい、寝室が花粉だらけになってしまうおそれがあります。
そこで今回は、花粉シーズンの布団干しに悩んでいる方向けに、花粉を持ち込まない布団の干し方や、花粉がつきにくい寝具の素材、寝室の花粉を減らす方法などについて解説します。


花粉を持ち込まない布団の干し方

室内になるべく花粉を持ち込まずに布団を干す方法を4つご紹介します。
■1. 室内に干す
布団を外干しすると、花粉は付着してしまいやすいので、花粉が気になるのなら室内に干すのがベストです。家の中で最も日当たりの良い場所に背もたれのある椅子などを置き、そこに布団をかけるだけでも、かなり湿気を取り除くことができます。1時間ほど経過したら布団をひっくり返し、裏側にも日が当たるようにすると、まんべんなく湿気を逃すことができます。
■2. 午前中のうちに干す
花粉の飛散量はお昼頃~夕方までにピークを迎えます。[注1]そのため、布団はなるべく朝のうちに干しましょう。天日干しの時間は、夏なら片面1時間、計2時間程度で済みますが、冬~春先にかけては片面2時間ずつ、計4時間ほど干さないと湿気が取れない場合があります。朝8時に干せば、お昼頃には布団を取り込むことができますので、なるべくピーク時間をまたがないよう注意しましょう。
ただ、あまり早い時間帯に布団を干すと、朝の冷え込みの影響で、かえって布団が湿ってしまう可能性があります。朝8時の段階でも気温が低い場合は、外干しを諦めて部屋干しに切り替えた方が良いかもしれません。
■3. 取り込む前に花粉を払う
布団を外干ししたときは、室内に取り込む前に、布団の表面を払って花粉をしっかり落としましょう。ここで注意したいのは、布団叩きを使用しないことです。花粉がついた状態で布団を思い切り叩くと、繊維の奥まで花粉が入り込み、逆効果になるおそれがあります。花粉は乾いた状態なら簡単に払えますので、手またはブラシなどでさっと落とせばOKです。
■4. 布団乾燥機を使う
室内に日当たりの良い場所がないときは、布団乾燥機を使うのもおすすめです。短時間で布団を乾燥できる上、製品によってはダニ対策や消臭機能がついているものもあり、カビやダニ、においなどの解消に役立ちます。
[注1]環境省:花粉症環境保健マニュアル2019[pdf]


花粉が付きにくい素材とは

花粉症に悩まされている方は、布団の干し方だけでなく、布団や寝具の素材そのものにも注意を払う必要があります。たとえばウール製の寝具は保温性が高く、冬~春先にかけて重宝するアイテムですが、静電気が起こりやすい性質を持っているため、花粉が付着しやすい傾向にあります。また、起毛タイプのシーツや毛布なども、毛羽立った繊維に花粉が絡まりやすいので、花粉シーズンの利用はあまりおすすめできません。
逆に、綿や絹などの天然素材は比較的静電気が起こりにくく、表面もサラサラしているので、花粉の付着量をある程度抑えることができます。また、近年は花粉対策用に開発された寝具も多数発売されています。たとえば、家庭用洗濯機で丸洗いできる布団や、花粉の侵入を防ぐ布団カバーなどがあります。花粉症の症状がひどく、寝不足に悩まされているときは花粉対策専用の寝具を購入するのもひとつの方法です。


寝室の花粉を減らす方法

布団を外干ししなくても、帰宅したときに外から持ち込んだ花粉や、換気のために開けた窓から入り込んだ花粉が寝室に滞留してしまうことがあります。花粉は布製のものに付着しやすいので、知らない間に布団や布団カバー、シーツなどに大量の花粉がついてしまうことも。寝室に花粉が残っていると、夜間まで花粉症の症状に悩まされることになりかねませんので、以下の方法で寝室の花粉を減らす工夫をしてみましょう。
■布団クリーナーを使用する
布団の上から直接ゴミやダニ、花粉などを吸い込める布団クリーナーは、花粉症やハウスダストアレルギーなどに悩まされている方に人気のアイテムです。スティックタイプやハンディタイプなどさまざまなタイプがあり、布団のサイズや使い勝手に合わせて選ぶことができます。
■空気清浄機を使う
空気清浄機には特殊なフィルターが搭載されており、ウイルスやカビ、花粉などを吸い込んで分解し、きれいな空気を保つ効果が期待できます。寝室の出入り口に近い場所に設置しておけば、部屋の外から花粉が入り込んでも効率的に除去できるので、有効な花粉症対策になります。
■寝室の床をこまめに掃除する
寝室に入り込んだ花粉は、しばらく大気を浮遊した後、床に落ちてたまってしまいます。その状態で寝室の中を歩き回ると花粉が舞い上がり、再び花粉を吸い込んでしまう可能性がありますので、花粉シーズンはいつもよりこまめに寝室の床を掃除するのがおすすめです。フローリング床ならモップ掃除、カーペットやラグなら吸引力の強い掃除機を使って清掃すれば、細かい花粉もきれいに取り除けるでしょう。


花粉シーズンに布団を干すときは花粉対策をしっかりと!

花粉シーズンに布団を外に干すことで、取り込むときに花粉も一緒に室内に入り込んでしまいます。特に静電気が起こりやすい素材や、起毛タイプの寝具は花粉が付着しやすいので、花粉の季節は綿や絹など花粉がつきにくい素材のシーツや布団を使うのがよいでしょう。また、天日干しにこだわらず、室内で布団を干したり、布団乾燥機を活用したりと、屋内で布団を乾燥させる方法も検討してみましょう。
天気予報専門メディア「tenki.jp」では、花粉シーズンの間、地域ごとの花粉飛散情報を公開しています。花粉の状態に合わせて布団をケアしたい!という方は、ぜひ事前にチェックしてみてください。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 花粉を持ち込まない布団の干し方や花粉が付きにくい寝具の素材とは